『パワーか、フォースか』の意識レベルの表を見て、
「わたしは今、どのあたりにいるんだろう」
「どうしたら意識レベルを上げられるの?」
と気になっていませんか。
こんにちは、看護師でライフコーチ、ディマティーニメソッドのファシリテーターの愛原百麗です。看護師として働いて、39年になります(2026年時点)。

看護師のわたしにとって、ふだん「意識レベル」といえば、JCS(ジャパン・コーマ・スケール)などで患者さんの意識の状態を確かめることです。でも、この本でいう意識レベルは、それとはまったく別のもの。人の心の状態を、1から1000までの数字で表した「心の地図」です。
最初にお伝えしたいのは、意識レベルは「がんばって上げるもの」というより、「いまの気持ちに気づいて、少しずつ向きを変えるもの」だということです。この記事では、17段階の意識のマップをやさしく解説し、毎日の暮らしでできる「上げ方」をお伝えします。
この記事では
・『パワーか、フォースか』とはどんな本?
・17段階の意識レベル(意識のマップ)一覧
・意識レベルの数値を、どう受けとめればいい?
・意識レベルを上げる6つの方法
・義父への怒りが「ありがとう」に変わった、わたしの体験
・意識のマップ セルフチェック&上げ方ワークシート
について解説します。
無料PDFこの記事はワークシート付きです
記事の中でご紹介する『意識のマップ セルフチェック&上げ方ワークシート』(PDF・A4/2枚)を、無料でダウンロードできます。印刷して、そのまま書き込めます。
『パワーか、フォースか』とはどんな本?

わたしの手元にある『パワーか、フォースか 改訂版』(ナチュラルスピリット)
著者は、アメリカの精神科医ホーキンズ博士
『パワーか、フォースか』は、アメリカの精神科医デヴィッド・R・ホーキンズ博士(1927〜2012年)の本です。原書の『Power vs. Force』は1995年に出版され、日本では2004年に三五館から、2018年に改訂版がナチュラルスピリットから出ています(訳はどちらもエハン・デラヴィさん、愛知ソニアさん)。
ホーキンズ博士は、人の意識を1から1000までの数字で表し、17の段階に分けました。これが「意識のマップ」です。数字が大きいほど、人や自分を力づける心の状態だとされています。
「フォース」と「パワー」の違い

本のタイトルにある「フォース」と「パワー」は、どちらも「力」と訳せる言葉です。でも、ホーキンズ博士は、この2つをはっきり分けています。
- フォース:外から押しつける力。恐れや怒りから生まれ、使うほど自分も相手も消耗していく
- パワー:内側からわいてくる力。勇気や愛から生まれ、自分もまわりも力づけられる
たとえば、子どもに「早くしなさい!」と怒鳴って動かすのはフォース。子どもの気持ちを受けとめてから、一緒に段取りを考えるのはパワーに近い、とイメージするとわかりやすいかもしれません。
そして、この2つの境目にあるのが、意識レベル200の「勇気」です。
「ホーキング博士」とは別の人です
「ホーキング博士 意識レベル」と検索される方もいますが、意識のマップをつくったのは精神科医のデヴィッド・R・ホーキンズ博士です。宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士とは別の人なので、本を探すときは気をつけてくださいね。
17段階の意識レベル(意識のマップ)一覧

意識のマップの17段階を、下から順に見ていきましょう。それぞれのレベルの「こんな気持ち」は、本をもとに、わたしが毎日の言葉に言い換えたものです。
200未満(フォース):恥・罪悪感・無気力・深い悲しみ・恐怖・欲望・怒り・プライド
- 恥(20):消えてしまいたい。自分がいやになる
- 罪悪感(30):「わたしが悪い」と自分を責めてしまう
- 無気力(50):何もしたくない。どうせ変わらないと感じる
- 深い悲しみ(75):失ったものを思って、涙が出る
- 恐怖(100):不安で心配。この先が怖い
- 欲望(125):「もっとほしい」「足りない」が止まらない
- 怒り(150):腹が立つ。許せない。イライラする
- プライド(175):「わたしは正しい」。見下されたくない
ここは、自分の外側に原因を探したり、自分を責めたりしやすい領域です。わたしは、いまの時代、200未満の領域で過ごしている方は多いと感じています。ここにいることは、めずらしいことでも、悪いことでもありません。
200(勇気)が分かれ道
勇気(200)は、怖さがあっても「自分にできることをやってみよう」と動きはじめるところです。人のせいにするのをやめて、自分の人生を自分で引き受けはじめる地点ともいえます。
ホーキンズ博士は、この200を境に、フォースからパワーへ切り替わると考えました。だからこそ、200は「分かれ道」なのです。
200〜499:中立・意欲・受容・理性
- 中立(250):「まあ、いいか」と力を抜ける
- 意欲(310):「やってみよう」と前向きに動ける
- 受容(350):「起きたことは起きたこと」と受けとめられる
- 理性(400):落ち着いて考え、筋道を立てられる
500以上:愛・喜び・平和・悟り
- 愛(500):相手のいいところも欠点も、まるごと大切に思える
- 喜び(540):理由がなくてもうれしい。満たされている
- 平和(600):深い安らぎ。何も足りないものがない感じ
- 悟り(700〜1000):言葉にならない静けさ
悟りのレベルは、本の中でも、ごく限られた人のものとして書かれています。ここを目指して自分を追い立てなくて大丈夫です。
看護師として伝えたい、意識レベルの数値の受けとめ方

数値は「科学で測ったもの」ではありません
本の中でホーキンズ博士は、筋反射テスト(キネシオロジー)という方法で、意識レベルを測ったとしています。腕を押して、力が入るか抜けるかで答えを確かめる方法です。
ただ、筋反射テストの正確さを確かめた研究では、偶然と変わらない結果が出ています。1988年のアメリカの研究では、栄養状態を見分けるのに役立たないとされ(Kenneyら)、2014年の二重盲検の研究でも、結果は偶然と区別できませんでした(Schwartzら)。
看護師としては、数値を「科学的に測った値」として受けとるのはおすすめしません。意識のマップは、自分の心の状態をふり返るための「地図」として使うのが、いちばん役に立つと思います。
「わたしは低い」と自分を責めるために使わない
意識のマップを知ると、「わたしは200より下だ」と落ち込んだり、「あの人は意識が低い」と人を見下したくなったりすることがあります。
でも、それこそが恥(20)や罪悪感(30)、プライド(175)の気持ちです。マップを使って自分や人を裁きはじめたら、いったん本を閉じて深呼吸しましょう。
気持ちは、1日の中でも上がったり下がったりします。朝は穏やかだったのに、夕方にはイライラしている。それが人間です。大切なのは、「あ、いまフォースのほうにいるな」と気づけることです。
意識レベルを上げる6つの方法

意識について学んだり、自分を見つめ直すことに価値をおかないまま過ごしていると、意識レベルは一生のあいだでも、あまり変わらないこともあるとわたしは感じています。だからこそ、毎日の中で意識して向きを変えることが大切です。ここからは、わたしがセッションや看護の現場でも大切にしている6つの方法をご紹介します。
1. いまの感情に名前をつける
最初の一歩は、いまの気持ちに名前をつけることです。「なんだかモヤモヤする」で終わらせずに、「わたしは今、怒っている」「怖いと感じている」と、言葉にしてみます。
意識のマップは、このときの辞書のように使えます。名前がつくと、気持ちに飲みこまれていた自分から、気持ちを見ている自分へと、一歩引くことができます。
2. 感情を、ドラマを見るように観察する
ホーキンズ博士は、のちの著書『「手放し」のすすめ』で、感情を押し込めず、責めず、ただ感じていると、感情は自然に小さくなっていくという「手放し」の方法を伝えています。
博士のやり方では、いやな気持ちが出てきたら、「なくそう」としないで、からだのどこで感じるか(胸がつまる、のどが苦しい、おなかが重いなど)に注意を向けて、ただ感じます。
「こんなことで怒るなんて」と自分を責めると、そこに罪悪感が重なってしまいます。「怒っているんだね」と認めるだけで十分です。
わたしが実際にやってみて感じたこと
わたしもやってみましたが、「感じきる」という行為そのものは、苦しみの渦の中に巻き込まれていくようなイメージでした。これは苦しかったです。
むしろ、感情、とくにネガティブな感情は、ドラマを見るように観察するスタンスがとれると、ストレスになりませんでした。
苦しみやストレスの中にいるときは、DM(ディマティーニメソッド)をやってみること、ジャーナリングをやってみることがおすすめです。
いやな気持ちが出てきたら、その場面をドラマのワンシーンのように、少し離れたところから眺めてみてください。見ているうちに苦しくなってきたら、無理に続けず、深呼吸をしてひと休みしましょう。ワークシートのSTEP 2も、この「観察する」やり方にしています。
3. 自分と人に、小さな思いやりを
ホーキンズ博士は、自分自身と、生きとし生けるものへのささやかな思いやりこそが、もっとも力強い変化の力になると述べています。
大きなことをする必要はありません。疲れている自分に「よくがんばったね」と声をかける。レジの人に「ありがとう」と目を見て言う。まず自分に、やさしい言葉をかけることから始めてみてください。
4. 勇気の小さな一歩を踏み出す
200の「勇気」は、大きな決断のことではありません。人のせいにするのをやめて、自分にできることを1つやってみることです。
「上司のせいで」と思ったら、「では、わたしにできることは?」と問いかけてみる。苦手な人に、自分からあいさつしてみる。小さくても、自分で選んで動いた一歩が、フォースからパワーへの入り口になります。
5. つらい出来事の「おかげ」も探してみる
ここは、ディマティーニメソッドの考え方です。

わたしがファシリテーターを務めるディマティーニメソッドでは、人や出来事には必ずプラスの面とマイナスの面の両方があると考えます。つらい出来事のマイナス面しか見えていないとき、わたしたちは怒りや恐れ、罪悪感の中にいます。
そこで、「この出来事のおかげで、わたしやまわりの人が助かったことは?」と、プラスの面も探してみます。両方が見えてバランスがとれたとき、心は自然に落ち着き、感謝の気持ちがわいてくることがあります。意識のマップでいえば、受容(350)や愛(500)に近い状態です。
はじめは「おかげなんて、あるはずがない」と感じるかもしれません。小さなことで大丈夫です。ワークシートのSTEP 4で、3つ探してみてください。
6. からだと環境を整える
看護師として、とくにお伝えしたいのがこれです。睡眠不足や空腹、疲れがたまっていると、イライラや不安は強くなりやすいものです。心だけでがんばろうとせず、まずはからだを整えましょう。
- 眠る:いつもより30分早く布団に入る
- 歩く:外に出て、5分でも光を浴びて歩く
- 呼吸する:ゆっくり息を吐く。瞑想の時間をとる
- 触れるものを選ぶ:心が軽くなる音楽や本、人と過ごす時間を増やす
ホーキンズ博士は、音楽や本、場所などにも意識レベルがあると考えました。科学的に確かめられた話ではありませんが、「触れたあと、心が軽くなるかどうか」を目安に、身のまわりのものを選んでみるのはいい方法だと思います。
義父への怒りが「ありがとう」に変わった、わたしの体験
意識のマップを見ると、わたしは義父との日々を思い出します。
義父はアルコール依存症で、毎日のように怒鳴っていました。わたしの信仰を批判されることもありました。義父が病気になり、在宅での介護が必要になったとき、わたしには介護に向き合うことへの心のブロックがありました。
そこでわたしは、ディマティーニメソッドのB面に取り組みました。B面は、相手の嫌いなところが、じつは自分にどんな利益をもたらしていたのかを見つけて、恨みをほどいていくワークです。
ワークを進めるうちに、わたしは「義父なりに、わたしを守ろうとしていた」と気づき、号泣しました。そして、自分が大切にしている価値観と、在宅介護がつながったのです。介護へのブロックは外れていました。
義父は自宅で8か月を過ごし、亡くなる間際に「ありがとう」と言って、何度もわたしの手を握ってくれました。
いまふり返ると、意識のマップでいえば、怒り(150)のところにいたわたしが、受容(350)や愛(500)のほうへ向きを変えた体験だったのだと思います。がんばって意識を上げようとしたのではなく、義父の両面が見えたとき、気持ちが自然に変わったのです。
意識のマップ セルフチェック&上げ方ワークシート

ここまでの内容を、紙に書きながら試せるワークシートを用意しました。
1枚目は、「意識のマップ セルフチェック」です。最近心に残った出来事を書き、そのとき近かった気持ちに○をつけます。17段階それぞれに「こんな気持ち」の言い換えをつけてあるので、マップを覚えていなくても使えます。
2枚目は、「意識レベルの上げ方ワーク」です。感情に名前をつける、ドラマを見るように観察する、自分に思いやりのひと言をかける、出来事の「おかげ」を3つ探す、今日できる勇気の一歩を決める、の5ステップで書き進めます。「職場で上司にきつく注意された」場面の記入例つきです。
無料ダウンロード
意識のマップ セルフチェック&上げ方ワークシート(PDF・A4/2枚)
17段階の意識のマップで、いまの気持ちに○をつけるセルフチェックと、感情に名前をつけてから「勇気の一歩」を決めるまでの5ステップのワークがセットになっています。
※ホーキンズ博士の「意識のマップ」と、ディマティーニメソッドの考え方を参考にした、愛原百麗オリジナルのワークシートです(公式教材ではありません)。
書いてみて、200より下に○がついても大丈夫です。気づけたこと自体が、勇気の一歩です。
よくある質問

Q. 自分の意識レベルを、正確に測る方法はありますか?
正確に測る方法は、いまのところありません。本で使われている筋反射テストは、研究では偶然と変わらない結果になっています。インターネットの「意識レベル診断」も、自分をふり返るきっかけとして使うのがおすすめです。
Q. 意識レベルが高い人には、どんな特徴がありますか?
本の考え方をもとにすると、人のせいにせず自分で引き受ける、相手の欠点も含めて受けとめる、感謝や思いやりが多い、といった特徴があげられます。ただ、意識レベルの高い人も、いつも穏やかなわけではありません。下がったときに気づいて戻れることが、いちばんの特徴かもしれません。
Q. 意識レベルが下がったと感じるのは、どんなときですか?
疲れているとき、眠れていないとき、人と比べたとき、責められたと感じたときなどです。そんな日は、「下がった自分」を責めずに、まず休むことを優先してください。
Q. 本は難しいですか?
哲学的な話や、筋反射テストの説明も多いので、難しく感じる方もいます。最初から全部を理解しようとせず、意識のマップの表と、気になるレベルの説明から読んでみるのもひとつの方法です。
Q. 意識レベルを上げれば、願いは叶いますか?
「意識レベルを上げれば、すべてうまくいく」と約束することはできません。ただ、恐れや怒りの中で決めたことより、落ち着いた心で選んだことのほうが、あとで後悔しにくいと、わたしは感じています。
パワーかフォースかの意識レベルのまとめ
- 『パワーか、フォースか』は、精神科医ホーキンズ博士が心の状態を1〜1000の数字で表した本
- 意識のマップは17段階。200(勇気)を境に、フォース(押しつける力)からパワー(内側からわく力)へ切り替わる
- 数値は科学的な測定値ではない。自分を責めたり人を裁いたりせず、心の地図として使う
- 上げ方は名前をつける・ドラマを見るように観察する・思いやり・勇気の一歩・「おかげ」を探す・からだを整えるの6つ
- 意識レベルは「がんばって上げる」より、気づいて向きを変えるもの
今日は、ワークシートの1枚目で、いまの気持ちに○をつけるところから始めてみてくださいね。
参考にした資料
- デヴィッド・R・ホーキンズ『パワーか、フォースか 改訂版 ― 人間の行動様式の隠された決定要因』エハン・デラヴィ、愛知ソニア訳、ナチュラルスピリット、2018年
- デヴィッド・R・ホーキンズ『パワーか、フォースか 人間のレベルを測る科学』エハン・デラヴィ、愛知ソニア訳、三五館、2004年
- デヴィッド・R・ホーキンズ『「手放し」のすすめ 明け渡しの道』愛知ソニア、エハン・デラヴィ訳、ナチュラルスピリット、2026年
- Kenney JJ, Clemens R, Forsythe KD. Applied kinesiology unreliable for assessing nutrient status. J Am Diet Assoc. 1988. 論文を見る
- Schwartz SA, Utts J, Spottiswoode SJ, et al. A double-blind, randomized study to assess the validity of applied kinesiology (AK) as a diagnostic tool and as a nonlocal proximity effect. Explore. 2014. 論文を見る
怒りや不安から、なかなか抜け出せないあなたへ
「頭ではわかっているのに、あの人を許せない」「気づくと、また自分を責めている」。そんな気持ちを、安心して話してみませんか。看護師として39年、多くの方の心とからだに寄り添ってきたわたしが、ディマティーニメソッドで、怒りや悲しみが感謝に変わっていくお手伝いをします。
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