感謝日記の書き方 1日3行の例文と効果・逆効果にならないコツ ワークシート付き

「感謝日記がいいと聞いたけれど、何をどう書けばいいの?」

「始めてみたものの、毎日書くことが思いつかない」

「『感謝しなきゃ』と思うほど、かえって苦しくなる」

そんな気持ちで、この記事を開いてくださったのかもしれません。

こんにちは、看護師でライフコーチ、ディマティーニ・メソッドのファシリテーターの愛原百麗です。看護師として働いて、39年になります(2026年時点)。

ドクター・ディマティーニ・メソッド トレインド・ファシリテーター 愛原百麗(看護師×ライフコーチ)

わたしは、月のはじめと週のはじめの朝に「六方拝」という感謝の瞑想をして、そのあとに浮かんだ「ありがとう」をノートに書きとめています。そして、人間関係の悩みに寄り添うドクター・ディマティーニ・メソッドの個人セッションでは、怒りや悲しみが、深い感謝に変わっていく瞬間に何度も立ち会ってきました。 セッションを受けた方の多くが、それまで感じたことのない「心の領域」で、真実と愛と感謝を体験されています。

この記事では、感謝日記の書き方を、1日3行から始められる5つのステップと、そのまま使える例文でお伝えします。研究でわかっている効果、書くことがない日のコツ、そして感謝日記が「逆効果」になってしまうパターンまで、看護師の目線でまとめました。

先に結論をお伝えすると、感謝日記は、今日の「ありがとう」を3つまで、具体的に書きとめるだけで始められます。毎日でなくても大丈夫。そして、どうしても「ありがとう」と思えない人のことは、無理に書かなくていいのです。

この記事では

・感謝日記とは?感謝ノート・スリーグッドシングスとの違い

・感謝日記の効果|研究でわかっていること

・感謝日記の書き方|1日3行・5ステップ

・感謝日記の例文|4つのテーマ

・書くことがない日・続かないときの5つのヒント

・感謝日記が逆効果になる5つのパターン

・「ありがとう」と思えない人は、書かなくていい理由

・書き込める『1日3行 感謝日記ワークシート』

について解説します。

無料PDFこの記事はワークシート付きです

記事の中でご紹介する『1日3行 感謝日記ワークシート』(PDF・A4/2枚)を、無料でダウンロードできます。印刷して、そのまま書き込めます。

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感謝日記とは?感謝ノート・スリーグッドシングスとの違い

感謝日記とは?今日の「ありがとう」をノートに書きとめる習慣。うれしかったこと、助けられたこと、あたりまえにあったものを1日数行で。似ている3つの方法:感謝日記(「ありがとう」と感じたことを書く。人・体・暮らし・自分への感謝)、感謝ノート(感謝日記とほぼ同じ意味。ノートや手帳に「ありがとう」をためていく)、スリーグッドシングス(その日の「よかったこと」を3つと、その理由を書く。ポジティブ心理学で研究された方法)。どれも共通しているのは、見落としていた「よいこと」に目を向ける練習

感謝日記とは、その日にあった「ありがとう」と思えることを、ノートに書きとめる習慣のことです。英語では「グラティチュード・ジャーナル(gratitude journal)」と呼ばれ、心理学の研究でもよく使われてきました。

書くのは、特別なできごとでなくてかまいません。家族がしてくれたこと、おいしかったごはん、晴れた空。ふだんはあたりまえだと思って通りすぎているものに、ひとつずつ目を向けていく練習です。

感謝ノートとの違い

「感謝ノート」も、ほとんど同じ意味で使われています。日記帳に書くか、専用のノートや手帳に書くかのちがいくらいで、やり方に決まりはありません。この記事では、まとめて「感謝日記」と呼びます。

スリーグッドシングス(3つのよいこと)との違い

よく似た方法に、ポジティブ心理学で研究された「スリーグッドシングス(Three Good Things)」があります。その日にうまくいったこと、よかったことを3つと、「なぜそうなったのか」を書く方法です。

感謝日記が「ありがとう」に目を向けるのに対して、スリーグッドシングスは「よかったこと」に目を向けます。ただ、よかったことを書いていると、自然と「ありがとう」が見つかることも多く、2つはとても近い方法です。この記事の書き方では、両方のよいところを取り入れています。

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感謝日記の効果|研究でわかっていること

感謝日記には、どんな効果があるのでしょうか。海外と日本の研究から、わかっていることをご紹介します。

感謝日記の効果 研究でわかっていること。1 自分の人生を、前向きに感じやすくなる(週1回、感謝を5つまで書いた大学生は、自分の生活をよりよく感じ、次の週への期待も高まった) 2 体の不調の訴えが減り、運動が増えた(運動時間が週に約1.5時間多かった) 3 眠りによい変化が見られた(毎日感謝を書いた人は、睡眠時間が長くなったと報告) 4 人にやさしくなりやすい(まわりの人を、気持ちの面で支えることが増えた) 5 やる気が続きやすい(2週間の感謝日記で、学習へのやる気が上がり、3か月後も保たれた)。ただし、うつや不安の「治療」になるほどの効果は確かめられていません。つらさが続くときは医療機関へ

1. 自分の人生を、前向きに感じやすくなる

感謝日記の研究でよく知られているのが、アメリカの心理学者ロバート・エモンズ氏とマイケル・マカロー氏が2003年に発表した研究です。大学生を3つのグループに分け、約10週間、週に1回ずつ、それぞれ「感謝していること(5つまで)」「わずらわしかったこと」「ふつうのできごと」を書いてもらいました。

その結果、感謝を書いたグループは、ほかのグループにくらべて、自分の生活全体をよりよく感じ、次の週への期待も高まっていました。

2. 体の不調の訴えが減り、運動が増えた

同じ研究で、感謝を書いたグループは、体の不調の訴えが少なく、「わずらわしかったこと」を書いたグループよりも、運動する時間が週に約1.5時間多かったと報告されています。

3. 眠りによい変化が見られた

エモンズ氏らは、病気を抱えながら暮らす大人を対象にした研究も行っています。3週間、毎日感謝を書いた人たちは、書かなかった人たちよりも、夜の睡眠時間が長くなったと報告しました。人とのつながりを感じる気持ちも高まり、家族などまわりの人から見ても、前向きな様子に変わっていたそうです。

また、2009年にイギリスで行われた調査では、ふだんから感謝の気持ちが強い人ほど、眠りの質がよい傾向があり、寝る前に前向きなことを考えやすいことがその理由のひとつだと考えられています。寝る前に感謝日記を書くのは、理にかなった方法といえそうです。

4. 人にやさしくなりやすい

エモンズ氏らが、大学生に2週間、毎日感謝を書いてもらった研究では、感謝を書いた人たちは、まわりの人の気持ちを支える行動が多くなっていました。自分が受けとっているものに気づくと、今度はそれを人に返したくなるのかもしれません。

5. やる気が続きやすい(日本の研究)

日本でも研究が行われています。立命館大学と情報通信研究機構(NICT)の研究グループは、2021年、2週間、日々の感謝を記録すると、学習へのやる気(モチベーション)が上がり、その効果は3か月後も保たれていたと発表しました。

ただし、感謝日記は「うつの治療」ではありません

ここは、看護師として正直にお伝えしたいところです。

2005年に、ポジティブ心理学で知られるマーティン・セリグマン氏らは、1週間スリーグッドシングスを書いた人たちの幸福感が上がり、気分の落ち込みが6か月後まで軽くなっていたと報告しました。けれども、その後の追試では、落ち込みへの効果は思っていたより小さいという結果も出ています。

また、2021年に27の研究(3,675人分)をまとめて分析した論文では、感謝の取り組みが、うつや不安の症状をやわらげる効果は小さいと結論づけられました。著者たちは、うつや不安に悩む人には、より効果が確かめられている治療を選ぶようすすめています。

感謝日記は、毎日の心を整えるためのやさしい習慣です。眠れない、食欲がない、何をしても楽しくない、という状態が2週間以上続くときは、感謝日記でがんばろうとせず、心療内科や精神科、かかりつけ医に相談してください。

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感謝日記の書き方|1日3行・5ステップ

それでは、感謝日記の書き方をご紹介します。ノートとペンがあれば、今日から始められます。

感謝日記の書き方 1日3行・5ステップ。1 書く時間を決める(寝る前の5分か、朝のお茶の時間に) 2 「ありがとう」を3つ思い出す(小さなことでいい。1つでもOK) 3 誰が・何を、具体的に書く(例:同僚が、忙しいときに電話をかわってくれた) 4 そのときの気持ちを一言そえる(例:ひとりじゃないと思えて、ほっとした) 5 週末に、まとめて読み返す(「ありがとう」が続いた人や場面に気づく)。毎日でなくても大丈夫。週1回でも、続けることがいちばんの近道

ステップ1:書く時間を決める

おすすめは、寝る前の5分か、朝のお茶の時間です。寝る前に書くと、1日の終わりに前向きなことを思い出してから眠りにつけます。朝に書くと、前の日の「ありがとう」をふり返りながら、おだやかに1日を始められます。

大切なのは、時間を決めておくことです。「歯みがきのあと」「ベッドに入ったら」のように、毎日していることとセットにすると、忘れにくくなります。

ステップ2:「ありがとう」を3つ思い出す

今日1日をふり返って、「ありがとう」と思えることを3つ思い出します。小さなことで十分です。思いつかない日は、1つでもかまいません。

ステップ3:誰が・何を、具体的に書く

朝の窓辺で、紅茶を横に小さなノートに感謝日記を書く女性の手元

「家族に感謝」のように大きくまとめるよりも、「誰が」「何をしてくれたか」「どんな場面だったか」を具体的に書くのがコツです。

✕「同僚に感謝」

○「同僚が、わたしが忙しいときに、何も言わずに電話をかわってくれた」

具体的に書くと、そのときの場面がよみがえり、「ありがとう」の気持ちをもう一度味わうことができます。

ステップ4:そのときの気持ちを一言そえる

書いたできごとのあとに、そのとき、どう感じたかを一言そえます。「ほっとした」「うれしかった」「ひとりじゃないと思えた」。スリーグッドシングスのように、「なぜうれしかったのか」を書くのもおすすめです。

ステップ5:週末に、まとめて読み返す

週に1回、1週間分を読み返してみましょう。何度も名前が出てくる人、くり返し書いている場面に気づくはずです。それが、あなたの毎日を支えてくれているものです。

毎日でなくても大丈夫|週1回でも効果がある

「毎日書かないと意味がない」と思わなくて大丈夫です。

カリフォルニア大学のソニア・リュボミアスキー氏らは、6週間、感謝を書く頻度をくらべた研究を紹介しています。その中では、週に1回書いた人たちは幸福感が上がりましたが、週に3回書いた人たちには、はっきりした効果が見られませんでした。回数が多すぎると、新鮮さがなくなり、ただの作業になってしまうためだと考えられています。

さきほどのエモンズ氏らの研究でも、週に1回の記録で変化が見られました。毎日書くのが楽しい人は毎日、負担に感じる人は週に1回、日曜の夜だけでもいいのです。

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感謝日記の例文|そのまま使える4つのテーマ

「何を書けばいいかわからない」という方のために、例文をご紹介します。迷ったら、次の4つのテーマから探してみてください。

感謝日記の例文 4つのテーマ。人への「ありがとう」:夫が、ゴミ出しをしてくれた。朝の時間に余裕ができた/レジの方が、笑顔で「ありがとうございます」と言ってくれた。体への「ありがとう」:自分の足で、駅まで歩けた/お昼のおにぎりが、おいしいと感じられた。暮らし・自然への「ありがとう」:洗濯物が、お日さまでよく乾いた/帰り道、金木犀の香りがして、季節を感じた。自分への「ありがとう」:疲れていたのに、夕ごはんを作った自分/言いすぎたと気づいて、あやまれた自分

人への「ありがとう」の例文

・夫が、ゴミ出しをしてくれた。朝の時間に余裕ができて、ゆっくりコーヒーが飲めた

・同僚が、わたしが忙しいときに電話をかわってくれた。ひとりじゃないと思えて、ほっとした

・レジの方が、笑顔で「ありがとうございます」と言ってくれた。わたしも笑顔になれた

・母から「元気?」とLINEが来た。気にかけてくれる人がいるのは、ありがたい

体・健康への「ありがとう」の例文

看護師として働いていると、病気やけがで入院された患者さんから、「自分の足でトイレに行けることが、こんなにありがたいとは思わなかった」という言葉を聞くことがあります。元気なときには気づきにくい体への「ありがとう」も、ぜひ書いてみてください。

・自分の足で、駅まで歩けた

・お昼のおにぎりが、おいしいと感じられた

・肩こりがつらかったけれど、お風呂であたたまって楽になった。体がよくがんばってくれている

・ぐっすり眠れて、朝すっきり目がさめた

暮らし・自然への「ありがとう」の例文

・洗濯物が、お日さまでよく乾いた

・帰り道、金木犀の香りがして、季節を感じた

・蛇口をひねると、あたたかいお湯が出た

・電車が時間どおりに来て、約束に間に合った

自分への「ありがとう」の例文

感謝日記では、自分自身への「ありがとう」を書いてもかまいません。わたしも六方拝の最後には、自分自身に「ありがとう」を伝えてしめくくっています。

・疲れていたのに、夕ごはんを作った自分、ありがとう

・言いすぎたと気づいて、あやまれた自分、ありがとう

・苦手な電話を、後回しにせずにかけた自分、ありがとう

つらいことがあった日の例文

つらいことがあった日は、無理に明るく書かなくて大丈夫です。先に、つらかった気持ちを1行書いてから、その中で支えになったものを探してみましょう。

・今日は上司に強く言われて、悲しかった。帰ってから、友人が電話で話を聞いてくれた。聞いてくれる人がいることに、ありがとう

・体調をくずして、仕事を休んだ。くやしかったけれど、休ませてくれた職場と、おかゆを作ってくれた家族に、ありがとう

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感謝日記に書くことがない日・続かないときの5つのヒント

感謝日記を続けていると、「今日は何も思いつかない」という日が、だれにでもやってきます。そんなときは、次の5つのヒントを試してみてください。

書くことがない日の5つのヒント。1 「もし、なかったら」を考える(水道、ふとん、スマホの充電…なかったら困るものは?) 2 体と五感をたどる(おいしかった、あたたかかった、よい香りがした) 3 今日会った人を思い浮かべる(家族、同僚、お店の人、電話の相手) 4 がんばった自分をねぎらう(今日も1日、よく乗りきった) 5 1つだけ、単語だけでいい(「お風呂」「晴れ」だけでも十分)。書けない日も、だめじゃない。「今日は書けなかった」と書くのも、自分をいたわる一歩です

1. 「もし、なかったら」を考える

あたりまえにあるものを、「もし、なかったら?」と想像してみます。水道、ふとん、冷蔵庫、スマホの充電、家族の「おかえり」。

2008年に発表されたアメリカの研究では、よいできごとについて「もし、それが起こらなかったら」と想像して書いた人のほうが、「それが起こった」ことを書いた人よりも、気持ちが前向きになりやすかったと報告されています。映画『素晴らしき哉、人生!』で、主人公が「自分がいなかった世界」を見せられて、いまある幸せに気づく場面にちなんだ研究です。

2. 体と五感をたどる

今日、おいしかったもの、あたたかかったもの、よい香りがしたもの、気持ちよかった音を思い出してみます。体で感じたことは、思い出しやすいヒントになります。

3. 今日会った人を思い浮かべる

家族、職場の人、お店の人、電話やメールの相手。今日、言葉をかわした人を順番に思い浮かべると、小さな「ありがとう」が見つかります。

4. がんばった自分をねぎらう

何も思いつかないほど疲れている日は、「今日も1日、よく乗りきった」と、自分へのねぎらいを書きましょう。それも、立派な感謝日記です。

5. 1つだけ、単語だけでいい

「お風呂」「晴れ」「ねこ」。単語ひとつでも十分です。書けなかった日は、空けたままでかまいません。完ぺきに書くことより、やめずに戻ってくることのほうが、ずっと大切です。

ノート・手帳・アプリ、どれで書いてもいい

寝る前のベッドの上で、ノートを胸に抱いて目を閉じる女性

書く道具は、使いやすいものでかまいません。ノートや手帳に手で書くと、ゆっくり思い出す時間がとれます。スマホのメモや感謝日記のアプリなら、思いついたときにすぐ書けます。

ただ、寝る前にスマホを見ていると、ついSNSや動画に手がのびて、眠りが浅くなることもあります。夜に書く方は、枕元に小さなノートを置いておくのがおすすめです。

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感謝日記が逆効果になる5つのパターン

「感謝ノート 逆効果」と検索する方も少なくありません。感謝日記は、やり方によっては、かえって心を苦しくしてしまうことがあります。こんなパターンに心あたりがあったら、書き方を見直すサインです。

感謝日記が逆効果になる5つのパターン。1 義務になる(✕「毎日10個書かなきゃ」→○週1回、1つからでいい) 2 つらい気持ちにフタをする(✕「感謝できない私はだめ」→○先に、つらい気持ちを書いてOK) 3 人と比べる(✕「あの人よりはマシ」→○わたしが受けとったものを見る) 4 見返りを期待する(✕「感謝すれば願いが叶うはず」→○いま、すでにあるものに気づく) 5 傷つける相手にがまんする(✕「感謝が足りないから、つらいんだ」→○自分を守ることを先に。相談していい)

1. 「書かなきゃ」と義務になる

「毎日10個書かなきゃ」「1日でも休んだら効果がなくなる」と思うと、感謝日記がしなければならない宿題に変わってしまいます。さきほどの研究のように、回数が多すぎると、かえって効果が感じられなくなることもあります。週1回、1つからでいいのです。

2. つらい気持ちにフタをする

悲しいこと、腹が立つことがあった日に、その気持ちを押しこめて「ありがとう」だけを書こうとすると、心の中に置き去りにされた気持ちが残ります。そして「感謝できないわたしはだめだ」と、自分を責めてしまうこともあります。

つらい日は、先に、つらかった気持ちを書いて大丈夫です。気持ちを書き出すと、頭の中が整理されて、そのあとに「それでも、ここには支えがあった」と気づけることがあります。

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3. 「あの人よりマシ」と人と比べる

「病気の人にくらべたら、わたしは幸せ」「あの家よりはマシ」。こうした書き方は、一見、感謝のように見えますが、人と比べて安心する見方です。エモンズ氏らの研究には、「自分より大変な人と比べて、恵まれていると思うこと」を書くグループもありました。感謝を書いたグループは、このグループよりも、まわりの人の気持ちを支える行動が多くなっていました。エモンズ氏らは、人と比べる方法は優越感やねたみを生みやすいので、感謝の気持ちを育てる方法としてはすすめられない、と述べています。

感謝日記で見つめたいのは、ほかの人との比較ではなく、わたしが受けとっているものそのものです。

4. 「感謝すれば願いが叶う」と見返りを期待する

「感謝すると、よいことを引き寄せる」と聞いて感謝日記を始める方もいます。けれども、願いを叶えるための手段として感謝しようとすると、思いどおりにならない日に「こんなに感謝しているのに」と、不満や不安がふくらんでしまいます。

感謝日記は、まだ手に入っていないものを呼びこむ道具ではなく、いま、すでにあるものに気づくための時間だと考えると、心が楽になります。

5. 傷つける相手に「感謝しなきゃ」とがまんする

ここは、とくに大切なところです。

暴言や暴力、無視などで、あなたを傷つける人に対して、「わたしの感謝が足りないから、つらいんだ」「感謝して受け入れなければ」と、がまんする必要はありません。感謝日記は、つらい関係をがまんするための道具ではありません。

身近な人からの暴力や暴言に苦しんでいるときは、まず自分の安全を守ることを優先してください。内閣府の「DV相談ナビ」(#8008)に電話すると、近くの相談窓口につながります。「DV相談+(プラス)」(0120-279-889)は、24時間電話で相談できます。

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「ありがとう」と思えない人は、感謝日記に書かなくていい

ドクター・ジョン・F・ディマティーニ
ドクター・ジョン・F・ディマティーニ(出典:ディマティーニ公式サイト https://drdemartini.com/ja/)

ここからは、わたしがファシリテーターを務めるディマティーニ・メソッドの見方から、感謝日記についてお話しします。

感謝日記の「ありがとう」と、心の底からわく感謝

感謝日記に書く「ありがとう」は、見落としていたよいことに気づくための「ありがとう」です。それだけでも、毎日の心はずいぶん整います。

一方で、ディマティーニ・メソッドで大切にしている感謝は、少しちがいます。ある人やできごとの両面が見えたときに、身体の奥から自然にわいてくる感謝です。

わたしは、義母を亡くしたあと、罪悪感で毎日泣いてばかりいました。2023年、ドクター・ディマティーニ本人のセミナーで、オンラインで直接セッションを受けたとき、そのときの気持ちを、こう書きとめています。

ディマティーニのC面のセッションをうけて2時間したら、身体が震えるほどの感謝の涙がでました。

感謝とは単なるお礼ではなく、身体からわきあがる涙であり、世界の360度バランス、愛なんだとわかった瞬間でした。

頭で「感謝しなきゃ」と考えて出てくる感謝と、両面が見えたときにあふれてくる感謝。わたしは、この2つを分けて考えています。

苦手な人を、無理に「ありがとう」の欄に書かない

ですから、どうしても「ありがとう」と思えない人のことは、感謝日記に無理に書かなくていいのです。腹が立っている相手に、むりやり感謝の言葉を書くと、心の中では「本当はそう思っていない」という声が大きくなってしまいます。

その人のことは、別のページで、両面を見ていきます。その人の行動で、わたしが困っている面と、助けられている面を、同じくらいの数だけ書き出してみる。この記事のワークシートの2枚目は、そのためのページです。

義父の「もう半分」が見えたとき

義父は、かつてアルコール依存症で、毎日のように怒鳴る人でした。正直に言えば、義父のことを感謝日記に書くことは、とてもできなかったと思います。

けれども、ディマティーニ・メソッドのB面で義父と向き合ったとき、義父は義父なりに、わたしを守ろうとしていたのだと気がつき、涙があふれました。亡くなる間際、義父は「ありがとう」と言って、何度もわたしの手を握ってくれました。

感謝は、つくるものではなく、見えていなかったもう半分に気づいたときに、わいてくるもの。わたしは、そう感じています。

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感謝日記をもっと深める3つの習慣

感謝日記に慣れてきたら、次のような習慣を組み合わせるのもおすすめです。

1. 「ありがとう」を言葉で伝える

感謝日記に何度も出てくる人がいたら、その人に「ありがとう」を伝えてみましょう。直接でも、メッセージでも、手紙でもかまいません。

さきほどのセリグマン氏らの研究では、お世話になったのにきちんとお礼を言えていない人に感謝の手紙を書いて、直接届けて読む「感謝の訪問」も試されました。幸福感が大きく上がり、その効果は1か月ほど続いたと報告されています。

2. 月のはじめに、感謝の瞑想をする

わたしは、毎月1日と毎週月曜日の朝に、東・西・南・北・天・地の6つの方角に感謝を届ける「六方拝」をしています。そのあと10分ほど、浮かんだ人や気持ちをノートに書きとめる時間が、わたしにとっての感謝日記です。

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わたしが月のはじめに続けている六方拝のやり方と、瞑想スクリプト(PDF)をご紹介しています。

3. 寝る前に、呼吸をととのえる

寝る前に感謝日記を書いたら、そのまま目を閉じて、ゆっくり呼吸をしてみましょう。今日の「ありがとう」を思い出しながら呼吸をすると、心がしずかに落ち着いていきます。

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参考

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1日3行 感謝日記ワークシート(無料PDF)

この記事でご紹介した書き方を、そのまま試せるワークシートを用意しました。印刷して、書き込んで使えます。

1枚目は「1週間の感謝日記」です。1日3行で、今日の「ありがとう」と、そのときの気持ちを書きとめます。書くことがない日のヒントもついています。

2枚目は「ふり返りと両面ワーク」です。1週間を読み返して、「ありがとう」を言葉で伝えたい人を決めます。そして、どうしても「ありがとう」と思えない人の、困っている面と助けられている面を、同じ数だけ書き出します。

無料ダウンロード

1日3行 感謝日記ワークシート(PDF・A4/2枚)

1枚目は「1週間の感謝日記」。1日3行で、今日の「ありがとう」と気持ちを書きとめます。2枚目は「ふり返りと両面ワーク」。1週間を読み返し、「ありがとう」を伝えたい人を決めて、どうしても感謝できない人の両面を書き出します。

PDFをダウンロードする ›

※2枚目のSTEP 3は、ディマティーニ・メソッドの「両面を見る」考え方をもとにしています。愛原百麗オリジナルのワークシートです(公式教材ではありません)。

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よくある質問

木製のクエスチョンマーク

Q. 感謝日記は、朝と夜のどちらに書くのがいいですか?

どちらでもかまいません。続けやすい時間を選ぶのがいちばんです。寝る前に書くと、1日の終わりに前向きなことを思い出してから眠りにつけます。朝に書くと、前の日をふり返りながら、おだやかに1日を始められます。

Q. 毎日書かないと、効果はありませんか?

そんなことはありません。研究では、週に1回の記録でも変化が見られています。かえって回数が多すぎると、作業のようになって新鮮さがなくなることもあります。負担に感じたら、週1回、日曜の夜だけにしてみてください。

Q. 1日にいくつ書けばいいですか?

この記事では、1日3つまでをおすすめしています。研究で使われた方法も、「3つ」や「5つまで」が多くなっています。数を増やすより、1つひとつを具体的に書くほうが、そのときの気持ちを味わえます。思いつかない日は、1つでも大丈夫です。

Q. 効果は、どのくらいで感じられますか?

研究では、2週間から10週間ほど続けた人に変化が見られています。日本の研究でも、2週間の感謝日記の効果が報告されています。まずは2週間を目安に、気楽に続けてみてください。

Q. ノートとアプリ、どちらがいいですか?

どちらでもかまいません。手で書くと、ゆっくり思い出す時間がとれます。アプリやスマホのメモは、思いついたときにすぐ書けて便利です。ただ、夜にスマホを見ると眠りが浅くなることがあるので、寝る前に書く方は紙のノートがおすすめです。

Q. 「量子力学的感謝日記」とは何ですか?

村松大輔さんの本『人生が一変する「量子力学的」感謝日記』(サンマーク出版、2025年)のタイトルです。自分をほめることと、感謝することを書く日記として紹介されています。量子力学や「波動」との結びつきは、科学で確かめられたものではありませんが、たとえとして心を整えるのに役立てる方もいます。量子力学とスピリチュアルの関係は、こちらの記事でくわしくお伝えしています。

Q. 感謝日記で、引き寄せはできますか?

感謝日記で願いが叶うことが、研究で確かめられているわけではありません。けれども、感謝を書いている人は、前向きな気持ちになりやすく、人にやさしくなりやすいことはわかっています。見返りを期待するより、いま、すでにあるものに気づく時間として続けるほうが、心は楽になります。

Q. 感謝日記は、英語で何と言いますか?

「グラティチュード・ジャーナル(gratitude journal)」と言います。gratitude は「感謝」、journal は「日記」という意味です。英語の勉強をかねて、英語で書いてみるのも楽しいですね。

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感謝日記の書き方|まとめ

  • 感謝日記とは、今日の「ありがとう」をノートに書きとめる習慣。感謝ノート、スリーグッドシングスも近い方法
  • 研究では、人生を前向きに感じやすくなる、運動や睡眠によい変化、人にやさしくなる、やる気が続く、などが報告されている
  • ただし、うつや不安の治療ではない。つらさが2週間以上続くときは医療機関へ
  • 書き方は、時間を決める・3つ思い出す・具体的に書く・気持ちを一言・週末に読み返すの5ステップ
  • 毎日でなくていい。週1回、1つからでも大丈夫
  • 書くことがない日は、「もし、なかったら」、体と五感、会った人、自分へのねぎらい
  • 義務・がまん・比較・見返りは、逆効果のサイン。傷つける相手にがまんしなくていい
  • 「ありがとう」と思えない人は、無理に書かずに、両面を見るページへ

感謝日記は、上手に書くことよりも、自分の毎日に「ありがとう」がちゃんとあったことを、そっと確かめていく時間です。今夜、ノートを1冊用意して、まずは1行から始めてみませんか。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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