「SNSに投稿したあと、いいねの数が気になって、何度も見てしまう」
「がんばっても、誰にもほめられないと、むなしくなる」
「認められたいと思う自分が、みっともなくて、いやになる」
こんな自分を、なんとかしたい。承認欲求なんて、なくしてしまいたい。そう思って、この記事を開いてくださったのかもしれません。
こんにちは、看護師でライフコーチ、ディマティーニメソッドのファシリテーターの愛原百麗です。看護師として働いて、39年になります(2026年時点)。

じつは、わたし自身も、長いあいだ「認めてほしい」という気持ちにふりまわされてきました。わたしは、毎日のようにけんかや暴力のある家庭で育ち、母に話を信じてもらえなかったこともあります。おとなになってからも、言われたとおりに尽くしていれば、いつか救われる、認めてもらえると信じて、自分の内側の声を無視して生きていた時期がありました。その苦しさがほどけはじめたのは、承認欲求を消そうとしたときではなく、「私が私を愛してなかった」と気づいたときでした。
この記事では、承認欲求をなくしたいと感じているあなたに、承認欲求が強くなる原因がわかるセルフチェックと、なくそうとしてもなくせない理由、自分で満たしていく方法をお伝えします。
先に結論をお伝えすると、承認欲求は、なくすことはできませんし、なくす必要もありません。「認められたい」は、人なら誰にでもある自然な欲求だからです。苦しくなるのは、承認欲求があるからではなく、「認める」役目を、ほとんど他人に預けてしまっているからです。他人からの承認にかたよった重心を、自分で自分を認めるほうへ、少しずつ戻していくこと。そして、認めてほしい相手を持ち上げすぎて、自分を小さく見ていないかに気づくこと。そうすると承認欲求は、なくそうとしなくても、自然に静かになっていきます。
この記事では
・承認欲求が強くなる5つの原因(セルフチェック付き)
・承認欲求をなくしたいのに、なくせないのはなぜ?
・承認欲求をなくす方法|「自分で満たす」6つのステップ
・看護師として伝えたい、相談の目安
・ディマティーニメソッドで見る承認欲求
・書き込める『承認欲求をほどくワークシート』
について解説します。
「認められたい」と思うことは、恥ずかしいことでも、みっともないことでもありません。そのことも、あわせてお伝えしていきますね。
セルフチェックこの記事はセルフチェック付きです
あなたの承認欲求が強くなっている原因を、10問でチェックできます。チェックを入れるだけで、いまのあなたに合った読み進め方がわかります。
無料PDFこの記事はワークシート付きです
記事の中でご紹介する『承認欲求をほどくワークシート』(PDF・A4/2枚)を、無料でダウンロードできます。印刷して、そのまま書き込めます。
承認欲求が強くなるのはなぜ?5つの原因をチェック
承認欲求が強くなるのには、理由があります。まずは、いまのあなたにあてはまるものをチェックしてみましょう。
セルフチェック
承認欲求が強くなっている原因をチェック
あてはまるものに、チェックを入れてください(10問)。
※この結果は、ご自身の傾向をふり返るための目安です。医学的な診断ではありません。
チェックした項目は、次の5つの原因にわかれています。ひとつずつ見ていきましょう。

1. 子どものころ、「いい子」のときだけほめられた(育ち・家庭環境)
テストでいい点をとったとき。お手伝いをしたとき。泣かずにがまんできたとき。そんな「いい子」のときだけほめられて、そうでないときは冷たくされたり、きょうだいと比べられたりした。そんな記憶はありませんか。

心理学では、親が「期待にこたえたときだけ愛情を向け、こたえないときは愛情を引っこめる」関わり方を、条件つきの関心(条件つきの承認)と呼びます。イスラエルの研究者アソールと、アメリカの心理学者デシらの研究では、親からこうした関わり方をされたと感じている大学生ほど、「〜しなければ」という内側からのプレッシャーで動きやすく、自己評価が上がったり下がったりしやすい傾向がありました。
「いい子でいれば、認めてもらえる」。子どものころに身につけたこの約束ごとは、おとなになっても続きます。仕事で成果を出したとき、家族の役に立ったときだけ、自分には価値があると感じる。だから、ほめられないと不安になるのです。
ただし、承認欲求の強さは、育ちだけで決まるものではありません。親から十分にほめられて育った人でも、学校での人間関係や職場の環境、SNSなどで、承認欲求が強くなることがあります。「わたしの育ちが悪かったから」「親のせいだ」と、決めつけすぎなくて大丈夫です。
2. 自分で自分を認めるのが苦手
資料をきちんと仕上げても、「まだ足りない」。家族のために一日動いても、「たいしたことはしていない」。ほめられても、「お世辞かな」と素直に受けとれない。
承認には、他人から認められる「他者承認」と、自分で自分を認める「自己承認」の2つがあります。自分で自分を認めるのが苦手だと、「認められた」と感じる入り口が、他人からの評価しか残りません。だから、どれだけほめられても、すぐにまた足りなくなってしまうのです。
自分を認められないのは、あなたが向上心のある、まじめな人だからでもあります。ただ、「まだ足りない」と言いつづけていると、心はいつまでも休まりません。
3. 嫌われるのがこわい
本当はいやなのに、頼まれると断れない。LINEの返事がそっけないと、「何か気にさわったかな」と一日じゅう気になる。

日本の心理学には、承認欲求を2つに分けて考える研究があります。ほめられたい、すごいと思われたいという「賞賛獲得欲求」と、嫌われたくない、否定されたくないという「拒否回避欲求」です。
「承認欲求が強い」と聞くと、目立ちたい、ほめられたいという気持ちを思い浮かべがちです。けれども、まわりに気をつかう人ほど苦しくなりやすいのは、むしろ「嫌われたくない」のほうかもしれません。相手の顔色を読み、波風を立てないように、自分の気持ちをあとまわしにする。そうやって人の期待にこたえつづけるうちに、疲れきってしまうのです。
4. 人と比べる時間が長い(SNS)
SNSを開けば、誰かの楽しそうな休日や、きれいな手料理、仕事での成功が目に飛びこんできます。そして自分の投稿には、思ったほど「いいね」がつかない。
アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究では、Instagramに似せた画面で写真を見た10代の若者は、「いいね」がたくさんついた写真を見たとき、脳の報酬系(ほうしゅうけい)にかかわる部分が強く働きました。「いいね」は、脳にとって、ごほうびのようなものなのです。
しかもSNSには、ほかの人のいちばんいい瞬間ばかりが並びます。それと、ふだんの自分を比べれば、落ちこむのは当然です。比べる時間が長いほど、「わたしも認められたい」という気持ちは強くなっていきます。
5. 他人の「〜すべき」で生きている
「母親なら、手作りするべき」「仕事ができる人だと思われなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」。気づくと、まわりの期待や世間の基準で、毎日を選んでいませんか。

人には、それぞれ自分が本当に大切にしていることがあります。それが見えなくなると、何をするにも「人にどう思われるか」が判断のものさしになります。他人のものさしで生きていると、自分で「これでいい」と思える瞬間がなくなり、外からの「よくできたね」でしか、安心できなくなってしまうのです。
自分が何を大切にしたいのかを知ることは、承認欲求とつきあううえで、とても大きな助けになります。このあとの「自分で満たす6つのステップ」でも、くわしくお伝えします。
承認欲求をなくしたいのに、なくせないのはなぜ?
「承認欲求を捨てたい」「もう人の目なんて気にしたくない」。そう思って、いろいろ試してみたけれど、うまくいかない。それには、理由があります。
承認欲求とは?誰にでもある自然な欲求
承認欲求とは、「人から認められたい」「価値のある存在だと思われたい」という欲求のことです。アメリカの心理学者マズローは、人の欲求を5つの段階に分けて考えました(欲求5段階説)。生きるための「生理的欲求」、安全に暮らしたい「安全の欲求」、仲間がほしい「所属と愛の欲求」、そして4番目が、認められたい「承認の欲求」、いちばん上が、自分らしく生きたい「自己実現の欲求」です。
マズローは、承認の欲求には、まわりから尊重されたいという面と、自分で自分を価値ある存在だと感じたいという面の、両方があると考えました。
つまり承認欲求は、食べたい、眠りたいと同じように、人として自然にわいてくる気持ちです。なくそうとしても、なくなるものではありません。承認欲求があるから、人はがんばれたり、人の役に立とうとしたりもします。
「なくそう」とするほど、気になってしまう
「白いクマのことだけは、考えないでください」。そう言われると、かえって白いクマが頭から離れなくなります。アメリカの心理学者ウェグナーらの実験では、白いクマのことを考えないようにした人たちは、そのあと考えてよいと言われると、はじめから考えてよかった人たちよりも、白いクマのことを多く考えてしまいました。
承認欲求も同じです。「認められたいなんて思っちゃだめ」「人の目を気にしちゃだめ」と押さえこむほど、かえって「認められたい」が頭から離れなくなります。なくそうとするよりも、あることを認めたうえで、自分で満たしていくほうが、ずっと近道です。
苦しいのは、承認を「他人まかせ」にしているとき

先ほどお伝えしたように、承認には「他者承認」と「自己承認」の2つの入り口があります。ほめられること、「いいね」がつくこと、評価されることは、うれしいものです。ただ、他者承認は相手しだいで、増えたり減ったりします。相手が忙しければ、どれだけがんばっても、何も言われない日があります。
「認めてもらう」をほとんど他人に預けていると、相手の反応ひとつで、気持ちが大きくゆれます。反対に、自分で自分を認める分がふえてくると、ほめられたらうれしい、でも、ほめられなくても大丈夫、と思えるようになります。承認欲求をなくすのではなく、自分で満たせる分をふやしていく。これが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
承認欲求は「みっともない」ものではない
承認欲求が強い自分を、「みっともない」「恥ずかしい」と感じている方も多いと思います。けれども、認められたいと思うのは、それだけまじめに、まわりの人との関係を大切にしてきたからです。
家族のために毎日ご飯をつくり、職場でまわりに気をくばり、誰かの役に立とうとしてきた。認められたいのは、そのがんばりを、誰かにわかってほしいからではないでしょうか。その気持ちは、少しもみっともなくありません。
承認欲求をなくす方法|「自分で満たす」6つのステップ
ここからは、承認欲求とつきあう方法を、「気づく」と「自分で満たす」の2つに分けてお伝えします。全部をいっぺんにやる必要はありません。できそうなものから、ひとつ試してみてください。

ステップ1:「いま、認められたいんだな」と気づく
SNSの通知を何度も確かめてしまうとき、ほめられなくてモヤモヤしたとき。心の中で、「いま、わたしは認められたいんだな」とつぶやいてみてください。責めるためではなく、ただ気づくためです。
アメリカの心理学者リーバーマンらの研究では、気持ちを言葉にすると、不安や恐れにかかわる脳の扁桃体(へんとうたい)の反応がおだやかになることが確かめられています。気持ちに名前をつけるだけで、ふりまわされている状態から、少し離れて自分を見ている状態へ、一歩下がることができます。
ステップ2:本当は、どうしてほしかったのかを探す
「認められたい」の下には、たいてい、別の気持ちがかくれています。安心したい、わかってほしい、休みたい、大切にされたい、ひとりはさみしい……。
たとえば、手作りの夕食に何も言ってくれない家族に「認めてほしい」と感じたとき。本当にほしかったのは、ほめ言葉ではなく、「いつもありがとう」のひと言や、「今日は休んでいいよ」という気づかいだったのかもしれません。

本当にほしいものがわかると、満たし方が見えてきます。「たまには外食にしたい」と伝える。自分で自分に、休みをあげる。相手に求めつづけるだけでなく、自分で満たせることが見つかるのです。
ステップ3:できたことを、寝る前に3つ書く
寝る前に、その日にできたことを3つ書き出します。「洗濯物をたためた」「苦手な人にも、あいさつできた」など、小さなことで大丈夫です。
アメリカの心理学者セリグマンらの研究では、毎晩その日にあった「よかったこと」を3つ書き、なぜそうなったかも書くことを1週間続けた人たちは、その後6か月にわたって、幸福感が高まり、気分の落ちこみが少なくなっていました。
「できたこと」を書くのは、自分で自分を認める練習です。最初は「こんなこと、書くほどでもない」と感じるかもしれません。その感じ方こそ、ふだん自分を認めていないサインです。続けるうちに、ほめられなくても「今日のわたしも、よくやった」と思える日がふえていきます。
ステップ4:結果だけでなく「やったこと」と「いること」も認める
承認には、3つの種類があるといわれます。うまくいったことを認める「結果承認」、やってみたこと・がんばったことを認める「行動承認」、そして、そこにいること自体を認める「存在承認」です。
承認欲求が強い人の多くは、自分の結果しか認めていません。けれども、結果は、自分ではどうにもならないこともあります。結果が出なかった日も、「やってみた」自分を認める。何もできなかった日も、「今日も一日、過ごした」自分を認める。この3つがそろうと、自分を認める力は、ぐっと安定します。

家族や同僚に「ありがとう」「いてくれて助かる」と、存在を認める言葉をかけるのもおすすめです。人を認める言葉を使ううちに、同じ言葉を、自分にもかけやすくなっていきます。
ステップ5:SNSとの距離を決める
SNSが悪いわけではありません。ただ、承認欲求がふくらんでいるときは、見る時間と場所を決めておくことをおすすめします。
アメリカのペンシルベニア大学の研究では、大学生143人を、Facebook・Instagram・Snapchatをそれぞれ1日10分までに制限するグループと、ふだんどおり使うグループに分けました。3週間後、制限したグループでは、さびしさや気分の落ちこみが、はっきり減っていました。
たとえば、こんなルールから始めてみてください。
・寝る前の1時間と、朝起きてすぐは見ない
・投稿したら、30分はアプリを閉じておく
・見たあとに落ちこむアカウントは、ミュートする
・「いいね」の通知を、オフにする

「いいね」の数を確かめたくなったら、ステップ1の「いま、わたしは認められたいんだな」を思い出してください。
ステップ6:「ほめられるか」より「大切にしたいこと」で選ぶ
何かを選ぶとき、「人にどう思われるか」ではなく、「わたしは、どうしたいか」「わたしが大切にしたいのは何か」を、自分に聞いてみてください。
人は、自分が本当に大切にしていることには、誰に言われなくても、時間とお金とエネルギーを注ぎます。そういうことをしているときは、ほめられなくても、自分から動けます。自分の大切なことで一日が満たされているほど、外からの承認がなくても、平気でいられるようになっていくのです。
自分が大切にしたいことがわからないときは、「時間を忘れて取り組めること」「お金を使っても惜しくないこと」から探してみましょう。ワークシートの1枚目にも、書きこむ欄を用意しています。
看護師として伝えたい、相談の目安
承認欲求そのものは、病気ではありません。ただ、次のようなときは、ひとりでがんばりつづけるよりも、心療内科や精神科に相談してください。
・人の反応が気になって、眠れない、仕事や家事が手につかない状態が続いている
・気分の落ちこみ、眠れない、食欲がないといった状態が2週間以上続いている
・SNSを見るのをやめられず、睡眠や生活に支障が出ている
・「見捨てられるのでは」という不安が強く、人間関係がいつも大きくゆれる
・ほめられないと、自分には生きている価値がないと感じる
人からの評価にとても敏感になる背景には、うつ病や不安症(社交不安症など)、ADHD、パーソナリティの特性などがかくれていることもあります。「承認欲求が強い性格だから」と決めつけずに、つらさが続くときは、一度専門家に相談してみてください。
受診は、弱さではありません。自分をいたわるための、ひとつの手段です。
「消えてしまいたい」と感じるときは
「認められないわたしには、価値がない」と感じて、「消えてしまいたい」「いなくなったほうがいい」という気持ちが浮かぶときは、この記事のワークよりも先に、いますぐ誰かに話してください。
・よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・無料)
・こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
・いのちの電話(ナビダイヤル):0570-783-556
・#いのちSOS:0120-061-338
ディマティーニメソッドで見る承認欲求|認めてほしい相手を「持ち上げすぎている」サイン

自分で自分を認める練習は、承認欲求とつきあうための土台になります。けれども、親や夫、上司、あこがれの人など、特定の誰かに「どうしても認められたい」という気持ちが強いときは、もう少し深いところに目を向ける必要があります。
わたしがファシリテーターを務めるディマティーニメソッドでは、誰かを持ち上げすぎて、自分を小さく見てしまう状態を、心のつり合いが崩れたサインとして扱います。相手を見上げているとき、わたしたちは相手の価値観を自分の基準にして、「この人に認められなければ」と考えます。ディマティーニ博士は、他人の価値観を自分の基準にしてしまうと、「〜すべき」「〜しなければ」が増えて苦しくなる、と説明しています。
ディマティーニメソッドには、A面・B面・C面という3つの見方があります。A面は、相手の好きで賞賛している(すごい、うらやましいと感じる)言動を扱い、そこにかくれたデメリットを見つけていきます。認めてほしい相手のすごいところと、その裏にある大変さが同じくらい見えてきたとき、相手は「見上げる人」から、自分と同じ高さにいる、ひとりの人に戻ります。そのとき、「この人に認められなければ」という気持ちは、自然に静かになっていきます。
そして、自分の価値の序列(何を大切にしているかの順番)にそって生きているとき、人は、誰かにほめられなくても、自分から動けるようになります。
「私が私を愛してなかった」と気づいたとき
わたしは、毎日のようにけんかや暴力のある家庭で育ちました。母から手をあげられたことも、話を信じてもらえなかったこともあります。おとなになってからも、「わたしは価値のない人間だ」という思いをかかえ、自己犠牲こそ美徳だと信じて、自分の内側の声を無視して生きてきました。
こんなにまじめにがんばってきたのに、どうして幸せになれないのだろう。そう嘆いていたわたしが変わりはじめたのは、ディマティーニメソッドのグループワークで、亡くなった母とのつらい出来事に向き合ったときです。母へのネガティブな思いの中に、感謝を見つけたとき、わたしは号泣しました。そして、心の深いところから、こう思ったのです。
私が私を愛してなかった……
ごめんなさい私。
ありがとう私。
わたしが認めてほしかったのは、母や、まわりの人だけではなかったのだと思います。いちばん認めてほしかったのは、わたし自身からの「それでいい」だったのです。
2023年には、ディマティーニ博士から直接、3時間をこえるセッションを受けました。家庭内暴力やいじめなど、自分の人生に起きたことを、ずっと片方の面からしか見ていなかったと気づいたとき、感謝と愛で満たされて、また号泣しました。わたしの生い立ちは、プロフィールにくわしく書いています。
セッションを受けてくださった方からも、こんな声をいただいています。
ただ、静寂があり、満たされている、そして、ありがとうの言葉が内側からわき上がってくる、、、穏やかな、足すことも引くこともなく、そのままでいい、という感覚がありました。
F・T(50代)
人の価値を仕事で判断する癖があり、父はすごい、母は専業主婦だからすごくないという見方をしていました。しかし優劣ではなく役割であり、バランスを保っていたことに気づけました。
マイ(40代)
自分を被害者の立場に置くことや、自分を守り、傷つかないようにすることが、当時の自分にとっては必要であり、メリットでもあったのだと認識できて、とても救われた。私を抱きしめることができた!
よっしー(50代)
※個人の感想です。感じ方は人それぞれで、同じ結果をお約束できるものではありません。
ひとりでできる「認めてほしい相手を両面で見る」ワーク
どうしても認めてほしい相手がいるときは、次の順番で書き出してみてください。
- いちばん認めてほしい相手(ほめられたい人・嫌われたくない人)を、ひとり選ぶ
- その人に認められたい気持ちの強さを、0〜10でつける
- その人の「すごい」「かなわない」と思うところを、具体的に書く
- その同じところが、その人自身やまわりにもたらしている大変さ・デメリットを、同じ数になるまで探す
- その「すごいところ」を、自分も形を変えて持っていないかを探す
- 書き終えたら、もう一度、気持ちの強さを0〜10でつける
例:何でも完ぺきにこなす職場の先輩
→ すごいところ:仕事が早い/みんなに頼られる
→ その裏にある大変さ:人にまかせられず、いつも残業している/頼まれごとを断れず、休みの日も連絡がくる
→ わたしも持っているところ:家事の段取りなら、誰よりも早い/実家の親戚からは、いつも相談される
相手を下げるためのワークではありません。持ち上げすぎていた相手を、自分と同じ高さに戻すためのワークです。最初は、なかなか出てこないと思います。それで大丈夫です。認めてほしい気持ちが強いほど、相手のすごいところばかりが大きく見えるからです。ゆっくり探してみてください。
※いまも暴言や暴力、支配的な態度を受けている関係では、まず距離をとり、自分の安全を守ることを優先してください。両面を見るのは、相手の行為を正当化するためではありません。
参考
- Assor, A., Roth, G., & Deci, E. L. (2004). The emotional costs of parents' conditional regard: A self-determination theory analysis. Journal of Personality, 72(1), 47–88.
- 小島弥生・太田恵子・菅原健介(2003)「賞賛獲得欲求・拒否回避欲求尺度作成の試み」『性格心理学研究』11(2), 86–98.
- Sherman, L. E., Payton, A. A., Hernandez, L. M., Greenfield, P. M., & Dapretto, M. (2016). The power of the like in adolescence: Effects of peer influence on neural and behavioral responses to social media. Psychological Science, 27(7), 1027–1035.
- Maslow, A. H. (1943). A theory of human motivation. Psychological Review, 50(4), 370–396.
- Wegner, D. M., Schneider, D. J., Carter, S. R., & White, T. L. (1987). Paradoxical effects of thought suppression. Journal of Personality and Social Psychology, 53(1), 5–13.
- Lieberman, M. D., et al. (2007). Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli. Psychological Science, 18(5), 421–428.
- Seligman, M. E. P., Steen, T. A., Park, N., & Peterson, C. (2005). Positive psychology progress: Empirical validation of interventions. American Psychologist, 60(5), 410–421.
- Hunt, M. G., Marx, R., Lipson, C., & Young, J. (2018). No more FOMO: Limiting social media decreases loneliness and depression. Journal of Social and Clinical Psychology, 37(10), 751–768.
- 厚生労働省「まもろうよ こころ 電話相談」
- Dr. John Demartini 公式サイト(日本語)
承認欲求をほどくワークシート(無料PDF)
この記事でご紹介した方法を、そのまま試せるワークシートを用意しました。印刷して、書き込んで使えます。
1枚目は「『認められたい』に気づいて、自分で満たす」です。認められたいと強く感じた場面と、その気持ちの強さ(0〜10)、誰に何を認めてほしかったか、その下にある気持ち、今日のわたしを自分で認める3つ(結果・行動・存在)、わたしが本当に大切にしたいことを書きます。
2枚目は「認めてほしい相手を『両面』で見る」です。いちばん認めてほしい相手の「すごいところ」と、その裏にある大変さを同じ数だけ書き出し、同じすごいところを、自分の中にも探します。
無料ダウンロード
承認欲求をほどくワークシート(PDF・A4/2枚)
1枚目は「『認められたい』に気づいて、自分で満たす」。その下にある気持ちと、今日のわたしを認める3つを書きます。2枚目は「認めてほしい相手を『両面』で見る」。相手のすごいところと、その裏にある大変さを、同じ数だけ書き出します。
※2枚目の「両面で見る」は、ディマティーニメソッドの考え方をもとにした愛原百麗オリジナルのものです(公式教材ではありません)。
よくある質問

Q. 承認欲求を、完全になくすことはできますか?
完全になくすことはできませんし、なくす必要もありません。承認欲求は、食べたい・眠りたいと同じように、人に自然にそなわった欲求です。なくそうと押さえこむほど、かえって気になってしまいます。目指すのは、なくすことではなく、ふりまわされないことです。他人からの承認にかたよった重心を、自分で自分を認めるほうへ少しずつ戻していくと、承認欲求は自然に静かになっていきます。
Q. 承認欲求が強い人は、育ちや家庭環境が原因なのですか?
子どものころ、「いい子」のときだけほめられた、きょうだいと比べられた、という経験は、承認欲求が強くなる原因のひとつになります。ただ、育ちだけで決まるわけではありません。学校や職場での人間関係、SNSで人と比べる時間の長さ、もともとの気質なども関係します。「親のせい」「育ちのせい」と決めつけすぎず、いまの自分にできることに目を向けてみてください。
Q. 承認欲求が強いのは、病気ですか?
承認欲求が強いこと自体は、病気ではありません。ただ、人の評価への不安が強すぎて生活に支障が出ている、気分の落ちこみや不眠が2週間以上続く、見捨てられる不安で人間関係が大きくゆれる、といったときは、うつ病や不安症、パーソナリティの特性などが関係していることもあります。つらさが続くときは、心療内科や精神科に相談してください。
Q. 承認欲求と自己顕示欲の違いは何ですか?
承認欲求は「認められたい」「価値のある存在だと思われたい」という欲求です。自己顕示欲は「自分を目立たせたい」「注目されたい」という欲求で、自分をアピールする行動として表に出やすいのが特徴です。自己顕示欲は、承認欲求を満たそうとするときのあらわれ方のひとつと考えるとわかりやすいでしょう。承認欲求が強くても、目立つことは苦手で、「嫌われたくない」という形であらわれる人も多くいます。
Q. 承認欲求と自己肯定感は、どう関係していますか?
自己肯定感が低いと、自分で自分を認めにくいぶん、他人からの承認で埋めようとして、承認欲求が強くなりやすいといわれます。反対に、自分で自分を認める練習を重ねると、自己肯定感も育っていきます。どちらも、ありのままの自分を受け入れること(自己受容)が土台になります。くわしくは「自己受容と自己肯定感の違い」でもまとめています。
Q. アドラー心理学では、承認欲求を否定しているのですか?
ベストセラー『嫌われる勇気』で知られるアドラー心理学では、他者から承認を求めることを否定しています。人からの承認を求めつづけると、他人の期待を満たすために生きることになり、自分の人生を生きられなくなる、という考え方です。この記事でお伝えしている「他人まかせの承認を、自分で満たすほうへ戻す」という考え方とも、重なるところがあります。ただ、「承認欲求を持ってはいけない」と自分を責める必要はありません。
Q. 承認欲求が満たされないと、どうなりますか?
認められない状態が続くと、むなしさや不安、イライラが強くなったり、もっと認められようとして無理をしすぎたりすることがあります。人の評価に合わせつづけて、疲れきってしまう方も少なくありません。そんなときこそ、他人からの承認を待つだけでなく、自分で自分を認めることが大切です。寝る前に「今日できたこと」を3つ書くことから、始めてみてください。
「認められたい」と思う自分を責めているあなたへ
「承認欲求が強いなんて、みっともない」。そう自分を責めながら、ここまで読んでくださったかもしれません。
でも、認められたいと思うのは、あなたがまわりの人を大切にし、まじめにがんばってきたからです。いい子でいようとしたのも、頼まれごとを断れなかったのも、そのときのあなたが、自分を守るために選んできたことでした。

承認欲求は、なくさなくて大丈夫です。今日は寝る前に、できたことをひとつだけ、自分で認めてあげてください。そして、どうしても認めてほしい誰かがいるときは、その人を自分と同じ高さに戻していくことで、少しずつ楽になっていきます。ひとりでは、相手のもう片方の面がなかなか見えないこともあります。そんなときは、誰かと一緒に探したほうが見つかりやすくなります。
承認欲求をなくしたいときは|まとめ
- 承認欲求は、誰にでもある自然な欲求。なくすことはできないし、なくす必要もない
- 承認欲求が強くなる原因は、「いい子」のときだけほめられた・自分を認めるのが苦手・嫌われるのがこわい・人と比べる時間が長い・他人の「〜すべき」で生きているの5つ
- 苦しいのは、承認を「他人まかせ」にしているとき。自分で認める分をふやすと、ふりまわされにくくなる
- 自分で満たす6つのステップは、気づく・本当の気持ちを探す・できたことを3つ書く・「やったこと」「いること」も認める・SNSとの距離を決める・大切にしたいことで選ぶ
- 人の反応が気になって眠れない、落ちこみや不眠が2週間以上続くときは、心療内科・精神科へ
- どうしても認めてほしい相手がいるときは、相手のすごいところの裏にある大変さを見つけて、自分と同じ高さに戻していく
今日は、ワークシートの1枚目のSTEP 4に、今日のわたしを認める3つを書いてみてください。
「認められたい」気持ちを、一緒にほどいていきませんか
わたし自身も、長いあいだ自分の内側の声を無視して、まわりに認められようとがんばってきました。認めてほしい相手のもう片方の面は、ひとりではなかなか見えないものです。ひとりで抱えなくて大丈夫です。
まずは無料のZoom相談(30分)で、お話ししてみませんか。無理な勧誘はいたしません。
愛原百麗 公式LINE
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