「何度『勉強しなさい』と言っても、スマホを手放さない」
「テスト前なのに、ゲームばかり。もうどうしたらいいのかわからない」
「こんなに言っているのに。もう見捨てたい……そう思ってしまう自分も嫌になる」
子どもが勉強しない毎日は、親の心をじわじわとすり減らします。言っても聞かない。言わなければ、まったくやらない。「わたしの育て方が悪かったのかな」と、夜にひとりで落ちこむこともありますよね。
こんにちは、看護師でライフコーチ、ディマティーニメソッドのファシリテーターの愛原百麗です。看護師として働いて、39年になります(2026年時点)。セッションでは、思春期のお子さんとの関係に悩むお母さんのお話をうかがうこともあります。

この記事では、子どもに勉強させるテクニックより先に、勉強しない子どもを前にした、親の心の整え方をお伝えします。勉強しない子がどれくらいいるのか、勉強しない5つの理由、「勉強しなさい」が空回りするわけ、見捨てたいほど疲れたときの考え方、そしてディマティーニメソッドの「価値の序列」で、子どものやる気の入り口を見つける方法まで、調査や研究をもとに解説します。
この記事では
・子どもが勉強しないのは、あなたの家だけではない(データ)
・子どもが勉強しないのは親のせい?
・子どもが勉強しない5つの理由
・「勉強しなさい」が空回りするループ
・勉強しない子を見捨てたいほど疲れたとき
・今日からできる、勉強しない子への6つの関わり方
・ディマティーニメソッドの「価値の序列」で見る、子どもが勉強しない理由
・書き込める「子どもの勉強のイライラを整える 両面ワークシート」
について解説します。
無料PDFこの記事はワークシート付きです
記事の中でご紹介する『子どもの勉強のイライラを整える 両面ワークシート』(PDF・A4/2枚)を、無料でダウンロードできます。印刷して、そのまま書き込めます。
子どもが勉強しないのは、あなたの家だけではありません
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所は、全国の小学生から高校生とその保護者、約2万1千組を毎年追いかける「子どもの生活と学びに関する親子調査」を行っています。
2021年の調査では、「勉強しようという気持ちがわかない」と答えた子どもは、小学4〜6年生で43.1%、中学生で58.6%、高校生で61.3%でした。2019年とくらべると、どの学校段階でも6.7〜10.9ポイント増えています。

学年別に見ると、小学6年生の41.1%に対して、中学1年生では55.9%。小6から中1にかけて、14.8ポイントも上がっています。「中学に入って、急に勉強しなくなった」と感じている親御さんが多いのは、データからもうなずけます。
中学生・高校生のおよそ6割が、「勉強する気持ちがわかない」と感じている。あなたのお子さんが勉強しないのは、決して特別なことではないのです。
子どもが勉強しないのは親のせい?
「子どもが勉強しないのは、100%親のせい」。そんな言葉を目にして、胸が痛くなった方もいるかもしれません。
親の関わり方が、子どもの勉強に影響するのは事実です。ただ、それだけで決まるわけではありません。
やる気が上がった子に起きていたこと
先ほどの調査では、同じ子どもを2019年から2021年まで追いかけて、学習意欲がどう変わったかも調べています。3年間で意欲が上がった子は11.2%、下がった子は25.8%でした。
意欲の変化と強く関係していたのは、「上手な勉強の仕方がわかるようになったかどうか」です。勉強の仕方がわかるようになった子では、意欲が上がった子が33.5%いたのに対して、わからなくなった子では3.6%にとどまりました。「授業が楽しくなった」「自分の進路について深く考えるようになった」ことも、意欲の変化に関係していました。
勉強のやり方、授業の楽しさ、将来のこと。子どものやる気には、親の声かけのほかにも、たくさんのことが関わっているのです。
「親のせい」と自分を責めるほど、空回りしやすい
「わたしのせいだ」と思うと、親はなんとかしなければと焦ります。焦るほど声かけは増え、口調もきつくなりがちです。すると子どもは反発し、ますます勉強しなくなる。自分を責める気持ちが、親子の空回りを強めてしまうこともあります。
親のせいでも、子どものせいでもありません。「誰のせいか」を探すのをやめると、「じゃあ、いま何ができるか」に目を向けられるようになります。
子どもが勉強しない5つの理由
子どもが勉強しないと、「怠けている」「やる気がない」と見えてしまいます。でも、その奥には、いくつかの理由が隠れていることが多いものです。

1. 勉強のやり方がわからない
「何から手をつければいいかわからない」「教科書を読んでも頭に入らない」。勉強のやり方がわからないと、机に向かっても進まず、つまらなくなります。先ほどの調査でも、勉強の仕方がわかるかどうかは、やる気と強く結びついていました。
どこかでつまずいたまま授業が進むと、「わからない」が積み重なります。「やってもできない」という経験が続くと、人はやる前からあきらめるようになります。心理学では、これを「学習性無力感」と呼びます。
2. 勉強と「自分の大切なもの」がつながっていない
「なんで勉強しなきゃいけないの?」。子どもにこう聞かれて、答えに詰まったことはありませんか。
人は、自分にとって大切なことには、言われなくても取り組みます。勉強が、自分の好きなことや将来の夢とどうつながるのかが見えないと、やる理由が見つかりません。この理由は、あとでご紹介するディマティーニメソッドの「価値の序列」と深く関わっています。
3. もっと大切なことがある
ゲーム、スマホ、友だちとのやりとり、部活。子どもにとって、いまいちばん大切なことに時間を使うのは、自然なことです。
大人から見ると「遊んでばかり」でも、子どもにとっては、友だちとのつながりや、夢中になれる世界そのものです。頭ごなしに取り上げると、子どもは「大切なものを否定された」と感じます。
4. 疲れている・心に余裕がない
部活で帰りが遅い。友だち関係で悩んでいる。新しいクラスや学校になじめない。心と体が疲れていると、勉強に向かう力は残りません。
看護師として気になるのは、睡眠です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に、睡眠時間を確保するよう示しています。夜遅くまでスマホを見て寝不足が続くと、集中できず、イライラもしやすくなります。勉強しない背景に、寝不足が隠れていることもあるのです。
5. 言われるほど、やりたくなくなる
「いまやろうと思ってたのに」。子どもがよく口にするこの言葉には、理由があります。
人は、自分で決める自由をおびやかされると、それに反発したくなります。心理学では、これを「心理的リアクタンス」と呼びます。「勉強しなさい」と言われるほど、「言われたからやる」のが嫌になるのです。とくに思春期は、自分のことを自分で決めたい気持ちが強くなる時期です。
わたしのセッションを受けた親御さんからも、こんなお話をうかがいました。お子さんはゲームに夢中で、なかなか勉強しない。ところが、お子さんが勉強しようと思ったちょうどそのときに「勉強しなさい」と言われ、勉強したくなくなってしまうことがあったそうです。
親は、よかれと思って声をかけています。でも、そのひと言が、子どもの中に芽生えかけた「やろうかな」を消してしまうこともあるのです。
「勉強しなさい」が空回りするループ
子どもが勉強していないのを見ると、親子のあいだには、こんなループが起こりがちです。

1から5へと進むたびに、親はイライラし、子どもはやらされ感を強めていきます。言えば言うほど、親子ともに疲れていくのです。
ごほうびや罰が、やる気をしぼませることも
「テストで80点取ったら、ゲームを買ってあげる」「勉強しないならスマホは没収」。ごほうびや罰は、すぐに効くように見えます。
ただ、アメリカの心理学者デシの実験では、パズルを解くたびにお金をもらった大学生は、お金がもらえなくなったあと、自由時間にパズルに取り組む時間が減りました(Deci, 1971)。外からのごほうびが、もともとあった「やりたい」気持ちをしぼませてしまうことがあるのです。これを「アンダーマイニング効果」と呼びます。
ごほうびや罰で動かそうとするほど、子どもは「ごほうびがないならやらない」「怒られないならやらない」と学んでしまうこともあります。
ループの出口は、親の「不安」に気づくこと
ループのいちばんの燃料は、2の親の不安です。「このままじゃ高校に行けない」「将来、困るのはこの子なのに」。その不安が大きいほど、声かけは強くなります。
「勉強しなさい」と言いたくなったら、ひと呼吸おいて、「いま、わたしは不安なんだ」と心の中で言葉にしてみてください。不安を子どもに渡す前に、自分で受けとめる。それだけで、口から出る言葉が少しやわらかくなります。
勉強しない子を見捨てたいほど疲れたとき

何を言っても変わらない。塾に通わせても、成績は上がらない。そんな日が続くと、「もう見捨てたい」「ほっとこう」と思うことがあります。
そう思ってしまう自分を、責めなくて大丈夫です。「見捨てたい」は、愛情がないからではなく、それだけ長いあいだ、がんばってきた証拠です。心が限界に近づいているというサインでもあります。
「見捨てる」と「手を離す」は違う
疲れたときに目指したいのは、子どもを見捨てることではなく、勉強の管理から手を離すことです。

見捨てるとは、勉強にも子どもにも関心を切ってしまうことです。「もう知らない」「勝手にしなさい」という言葉は、子どもの心に「見放された」という思いを残します。
手を離すとは、勉強をするかどうかの責任を子どもに返しながら、親子の関係は続けることです。
- ごはん、あいさつ、なにげない雑談は、いつもどおり続ける
- 勉強以外の話(好きなこと、友だちのこと)に関心を向ける
- 「手伝えることがあったら言ってね」と、戻れる場所を伝えておく
勉強しない子を「ほっとく」なら、この形を選んでください。勉強から手を離しても、子どもから心は離さない。これが、親が疲れきったときの現実的な選び方です。
まずは、親が自分を休ませる
看護の現場では、患者さんを支えるご家族の心と体も大切にします。支える人が倒れてしまっては、支え続けることができないからです。子育ても同じです。
- 子どもの勉強のことを考えない時間を、1日10分つくる
- 夜はスマホを置いて、少し早めに休む
- 夫や家族、友だちに、気持ちを話す
- 勉強のことは、学校や塾の先生に任せてみる
親の心に余裕が戻ると、同じ子どもの姿を見ても、受けとめ方が変わってきます。
怒鳴ってしまったときは
イライラが限界を超えて、怒鳴ってしまう日もあるかもしれません。そんなときは、落ち着いてから「さっきは言いすぎた、ごめんね」と短く伝えてみてください。親が自分の言いすぎを認める姿は、子どもにとって、失敗したあとの立て直し方のお手本にもなります。
怒りがおさえられず、子どもを傷つけてしまいそうなときは、ひとりで抱えないでください。児童相談所相談専用ダイヤル(0120-189-783、通話無料)や、こども家庭庁の「親子のための相談LINE」で、子育てや親子関係の悩みを相談できます。
今日からできる、勉強しない子への6つの関わり方
ここからは、ループをゆるめるために、今日からできる関わり方をご紹介します。全部やる必要はありません。できそうなものを1つ選んでみてください。
1. 「勉強しなさい」を、質問に変える
「勉強しなさい」の代わりに、「今日は何からやる?」「何時から始める?」と聞いてみます。やるかどうかを命令されるのではなく、自分で決める形にすると、反発が起きにくくなります。
2. 「わからないところ」を一緒に探す
勉強しない理由が「わからない」なら、やる気より先に、どこでつまずいているかを知ることが大切です。親が教えなくてもかまいません。学校や塾の先生に「どこからわからなくなっているか」を聞いてみるのも、立派なサポートです。
3. 小さく始める
「1時間やりなさい」ではなく、「5分だけ」「1ページだけ」。始めるハードルを下げると、取りかかりやすくなります。始めてしまえば、そのまま続けられることも多いものです。
4. 結果より「取りかかったこと」を言葉にする
点数ではなく、「机に向かってたね」「最後まで解いたんだね」と、見たままを言葉にして伝えます。大げさにほめる必要はありません。「見ているよ」が伝われば十分です。
5. 子どもの「好き」に関心を持つ
ゲームやスマホを頭ごなしに否定する前に、「それ、何がおもしろいの?」と聞いてみてください。子どもが夢中になっているものには、その子が大切にしているものが表れています。そこが、勉強の入り口になることもあります。次の章で詳しくお話しします。
6. スマホやゲームのルールは、一緒に決める
スマホやゲームの時間が気になるときは、取り上げる前に、子どもと話し合ってルールを決めます。「夜10時以降はリビングに置く」など、親が一方的に決めるより、子どもが自分で決めたルールのほうが守られやすくなります。親もスマホを見すぎていないか、一緒に見直すきっかけにもなります。
ディマティーニメソッドの「価値の序列」で見る、子どもが勉強しない理由

ここからは、わたしがファシリテーターを務めるディマティーニメソッドの考え方で、子どもが勉強しない理由を見ていきます。
子どもは、自分の「大切なもの」には自分から動く
ディマティーニメソッドでは、人それぞれが持つ「何を大切にするかの順番」を価値の序列(価値観の優先順位)と呼びます。人は、価値の序列の上のほうにあることには、誰に言われなくても時間とエネルギーを注ぎます。反対に、下のほうにあることには、外からの声かけや、ごほうび・罰が必要になります。
ドクター・ディマティーニは、子どもについて、こう説明しています。学校の授業が、自分の価値の序列の高いものを満たすのにどう役立つのかが見えないと、子どもは授業に身が入らない。だから、親や先生からの外からの動機づけが必要になる、と。
つまり、勉強しない子は「やる気がない子」ではありません。勉強と、自分の大切なものとのつながりが、まだ見えていない子なのです。サッカーの練習や、ゲームの攻略、推しの情報集めには、誰に言われなくても何時間も打ちこめる。それが何よりの証拠です。
DMセッションで、子どもの「大切なもの」に目が向いた親御さん
「5. 言われるほど、やりたくなくなる」でご紹介した、ゲームに夢中で勉強しないお子さんの親御さん。わたしとのDMセッション(ディマティーニメソッドのセッション)を受けたことが、お子さんが何に価値をおいているのかを観察するきっかけになったそうです。
「どうして勉強しないの」と責める目で見ていると、ゲームに夢中な姿は、困りごとにしか見えません。「この子は、何を大切にしているんだろう」という目で見ると、同じ姿が、その子を知るための手がかりに変わります。次の6つの質問は、その観察のためのものです。
子どもの「大切なもの」を見つける6つの質問
ディマティーニ博士は、どの子にも、自分から好んでやること、読んだり見たりすること、話すこと、身の回りに置くもの、お金を使いたいものがあり、そこにその子の価値の序列が表れると述べています。これをもとに、6つの質問にまとめました。

6つの答えに、くり返し出てくるものはありませんか。それが、いまのお子さんの価値の序列の上のほうにある「大切なもの」です。
勉強を、子どもの「大切なもの」につなげる

大切なものが見えてきたら、勉強とのつながりを探します。ディマティーニ博士は、子どもの価値の序列がわかったら、学校で毎日取り組んでいることを、その価値の序列につなげる手助けができる、と述べています。
- サッカーが好き:作戦を図と言葉で説明する(国語)、海外選手のインタビューを聞く(英語)、ボールの速さや角度(理科・数学)
- ゲームが好き:攻略のための計算(算数・数学)、物語の舞台になった時代(歴史)、ゲームをつくるしくみ(プログラミング)
- 推しや音楽が好き:歌詞の英語や韓国語、ライブに行くための交通費や予算の計算
- 料理やお菓子づくりが好き:分量の計算(割合)、生地がふくらむしくみ(理科)
ポイントは、親が答えを教えるのではなく、子どもに問いかけて、子ども自身に見つけてもらうことです。「海外のチームでプレーするとしたら、何ができると役に立ちそう?」「そのゲームをつくる人になるには、何を勉強するんだろうね」。自分で見つけたつながりは、親に言われた理由よりも、ずっと強い力になります。
「勉強してほしい」は、親の価値の序列
もうひとつ、大切な視点があります。「勉強してほしい」と強く願うのは、親の価値の序列でもある、ということです。
安定した将来、学歴、きちんとしていること。それを大切にするのは、まちがいではありません。親が大切にしてきたものには、親自身の経験や願いがこめられています。
ただ、ディマティーニ博士は、多くの親が自分の価値観を子どもに投影し、子どもにその価値観で生きることを期待するけれど、それは不可能だと述べています。子どもには、子どもの価値の序列があるからです。「わたしが大切にしているものと、この子が大切にしているものは違う」。そう気づくだけで、イライラは少しゆるみます。
B面で、「勉強しない」の両面を見る
ディマティーニメソッドには、A面・B面・C面という3つの見方があります。A面は、相手の好きで賞賛している言動を扱います。B面は、相手の嫌いで許せない言動を扱います。C面は、亡くなった人や去っていった人との別れ、新しく現れた人との出会いを扱います。
子どもの「勉強しない」へのイライラは、B面で向き合えるテーマです。B面で扱う「言動」には、子どもが「してくれないこと」も含まれます。

ステップ1:嫌だと感じる場面を1つ、具体的に書く
「やる気がない」のようなまとめた言葉ではなく、いつ・どこで・何をしていたかを書きます。たとえば、「テストの前日なのに、夜11時までゲームをしていた」。
ステップ2:その言動のプラス面を探す
ディマティーニメソッドでは、どんな人や出来事にも、プラス面とマイナス面の両方があると考えます。子どもの「勉強しない」が、子どもやあなた、家族にもたらしているものを、できれば10個以上書き出してみてください。「よかった」と思う必要はありません。
- 好きなことには、何時間も集中できる力がある
- ゲームの中で、作戦を立てて工夫している
- 親に「NO」と言える、自分の意思を持っている
- 友だちとのつながりを大切にしている
- わたしが、自分の不安や「こうあるべき」に気づけた
- 夫と、子どもの将来について話すきっかけになった
ステップ3:わたしにも同じところがないか探す
最後に、自分にも同じところがないかを探します。大切だと思えない家計簿や片づけを、後回しにしていないでしょうか。子どものころ、興味のない科目の宿題を、ぎりぎりまでやらなかったことはないでしょうか。
責めるためではありません。「この子だけが」という見方がゆるむと、子どもを「勉強しないダメな子」ではなく、自分の大切なものを持った、ひとりの人として見られるようになっていきます。
勉強しない背景に、ほかの理由があるときは
看護師として、ここはお伝えしておきたいところです。
勉強しない背景に、心や体、学び方の特性が関わっていることもあります。文部科学省が2022年に公表した調査では、通常の学級に在籍する小中学生のうち、学習面または行動面で著しい困難を示す子は8.8%(学習面は6.5%)と推定されています。「読む」「書く」「計算する」など、特定のことがとても苦手な子にとっては、勉強そのものが大きな負担になります。
次のようなことが続いているときは、ひとりで抱えずに、学校の先生やスクールカウンセラー、かかりつけの小児科などに相談してください。
- 音読や板書の書き写し、計算など、特定のことだけが極端に苦手
- 朝起きられない、眠れない、食欲がないなどが続いている
- 学校に行きたがらない、友だち関係の悩みを口にする
- 急に成績が大きく下がり、好きだったことにも興味を示さなくなった
- 「消えたい」「どうせ自分なんか」と口にする
子どもの悩みは、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310、通話無料・24時間)でも相談できます。子ども本人だけでなく、保護者も利用できます。
参考
- 東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2021 結果速報」(2022年4月20日)
- Deci, E. L. (1971). Effects of externally mediated rewards on intrinsic motivation. Journal of Personality and Social Psychology, 18(1), 105–115.
- Brehm, J. W. (1966). A theory of psychological reactance. Academic Press.
- Dr. John Demartini「How To Inspire Your Child To Live Their Most Extraordinary Life」(ディマティーニ公式ブログ)
- 厚生労働省「睡眠対策」(健康づくりのための睡眠ガイド2023)
- 文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」(2022年12月13日)
- 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」(24時間子供SOSダイヤル)
- こども家庭庁「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について」(児童相談所相談専用ダイヤルの案内もあります)
- こども家庭庁「親子のための相談LINE」
子どもの勉強のイライラを整える「両面ワークシート」(無料PDF)
この記事でご紹介した方法を、紙に書きながら試せるワークシートを用意しました。
1枚目は「わたしの気持ち」です。いまのイライラ度(0〜10)と、いちばん心がざわつく場面と、その奥の不安を書き、いまの自分の目で見直します。そのうえで、子どもの「勉強しない」のプラス面を10個と、自分にも同じところがないかを書き出します。
2枚目は「子どもの大切なもの」です。6つの質問で子どもの大切なものを見つけ、勉強とのつながりと、子どもへの問いかけを考えます。最後に、もう一度イライラ度に○をつけて、1枚目とくらべます。印刷して、そのまま書き込めます。
無料ダウンロード
子どもの勉強のイライラを整える 両面ワークシート(PDF・A4/2枚)
1枚目は「わたしの気持ち」。心がざわつく場面とその奥の不安、子どもの「勉強しない」のプラス面を10個書き出します。2枚目は「子どもの大切なもの」。6つの質問で子どもの大切なものを見つけ、勉強とのつながりと、子どもへの問いかけを考えます。
※ディマティーニメソッドの考え方をもとにした、愛原百麗オリジナルのワークシートです(公式教材ではありません)。
よくある質問

Q. 子どもが勉強しないのは、親のせいですか?
親の関わり方は影響しますが、それだけで決まるわけではありません。2021年の調査では、勉強の仕方がわかるようになることや、授業が楽しくなること、将来について考えることも、やる気の変化に関係していました。自分を責めるより、「いま何ができるか」に目を向けましょう。
Q. 勉強しない子は、ほっといてもいいですか?
勉強の管理から手を離すのは、選択肢のひとつです。ただし、関係まで切る「見捨てる」形にならないよう、ごはんやあいさつ、雑談は続け、「困ったら言ってね」と戻れる場所を残しておきましょう。
Q. 勉強しない子を見捨てると、どうなりますか?
子どもは「親に見放された」と感じ、自信をなくしたり、困ったときに親に相談しにくくなったりすることがあります。見捨てるのではなく、「勉強から手を離して、心は離さない」形を目指してください。
Q. 勉強しない中学生には、どう声をかければいいですか?
「勉強しなさい」より、「今日は何からやる?」「何時から始める?」と、自分で決められる聞き方がおすすめです。中学生は、自分のことは自分で決めたい時期です。勉強以外の話題で、ふだんから話せる関係を保つことも大切です。
Q. 勉強しない子の将来が心配です。
不安になるのは、お子さんを大切に思っているからです。ただ、いま勉強しないことだけで、人生のすべてが決まるわけではありません。子どもが、自分の「大切なもの」と勉強のつながりに気づいたとき、動き出すこともあります。不安が強いときは、まず親自身の気持ちを整えましょう。
Q. スマホやゲームは、取り上げたほうがいいですか?
いきなり取り上げると、子どもは「大切なものを否定された」と感じ、反発が強まることがあります。時間や置き場所のルールを、子どもと話し合って決めるのがおすすめです。
Q. 夫が協力してくれず、わたしばかりが怒り役です。
ひとりで抱えると、疲れもイライラもたまっていきます。「子どもに言って」と頼むより、「わたしはこういうことが不安で、ひとりで抱えるのがつらい」と、自分の気持ちを伝えてみてください。夫婦で不安を分け合えると、子どもへの声かけもやわらぎます。
子どもが勉強しないときのまとめ
- 「勉強しようという気持ちがわかない」中学生・高校生はおよそ6割。あなたの家だけではない
- 子どもが勉強しないのは、親のせいだけではない。勉強の仕方、授業の楽しさ、将来のことも関わっている
- 勉強しない理由は、やり方がわからない、大切なものとつながっていない、もっと大切なことがある、疲れている、言われるほどやりたくなくなる
- 「勉強しなさい」のループの出口は、親の不安に気づくこと
- 疲れたら、見捨てるのではなく、勉強から手を離して、心は離さない
- 子どもの価値の序列を見つけて、勉強とのつながりを一緒に探す
- 子どもの「勉強しない」にも両面がある
- 心や体、学び方の特性が気になるときは、学校や専門家に相談を
子どもを変えようとするより先に、親の心を整える。遠回りに見えて、それがいちばんの近道です。
子どもの勉強のことで、ひとりでイライラや不安を抱えていませんか
「勉強しなさい」と言いたくなる気持ちの奥には、あなたが大切にしてきたものや、まだ言葉になっていない不安が隠れています。その正体を、一緒に整理してみませんか。
まずは無料のZoom相談(30分)で、お話ししてみませんか。無理な勧誘はいたしません。
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