頭の中はずっと考えごとでいっぱい。気づけば肩はガチガチで、夜になってもなかなか寝つけない。
「瞑想がいいって聞くけれど、じっと座って呼吸に集中するのは苦手……」
そんなふうに感じていませんか。
こんにちは、看護師でライフコーチ、ディマティーニメソッドのファシリテーターの愛原百麗です。

そんな方にこそ試してほしいのが、寝ながらでもできる「ボディスキャン瞑想」です。足の先から頭のてっぺんまで、からだの部位に順番に意識を向けていくだけ。呼吸だけに集中するよりも、「次は足、次は脚」と意識を向ける先があるので、初心者でも取り組みやすい瞑想です。
私自身、過去に乳がんと子宮筋腫の手術を経験しています。
からだの部位に一つずつ意識を向けていくボディスキャン瞑想は、がんばってくれた自分のからだに、いたわりのエネルギーを送っていくイメージで行える瞑想です。それが私にはピッタリだと感じて、始めました。
続けるコツは、「日曜日の朝や夜」「月曜日の朝」のように、週のどこかでやる日を決めて、ルーティンにしてしまうこと。毎日でなくても、決まったタイミングがあると無理なく続けられます。
この記事では、看護師として、ボディスキャン瞑想のやり方を10ステップでていねいにお伝えします。安全に続けるための注意点もまとめました。
この記事では
・ボディスキャン瞑想とは?
・ボディスキャン瞑想で期待できること
・はじめる前に決めておきたい3つのこと
・ボディスキャン瞑想のやり方|10ステップ
・朝と夜で変わるボディスキャンの使い分け
・忙しい日の「3分ボディスキャン」
・看護師からのお願い|ボディスキャン瞑想の注意点
について解説します。
無料PDFこの記事は瞑想ガイド付きです
記事の中でご紹介する『朝のボディスキャン瞑想ガイド』(PDF・A4/2枚)と『夜のボディスキャン瞑想ガイド』(PDF・A4/2枚)を、無料でダウンロードできます。ご自身で読み上げて録音すれば、音声ガイドとしても使えます。先にダウンロードしたい方は、下のボタンからどうぞ。
ボディスキャン瞑想とは?

からだの部位に順番に意識を向けていく瞑想
ボディスキャン瞑想とは、からだの各部位に順番に注意を向け、そこにある感覚をただ感じていく瞑想です。CTやMRIが体を少しずつ撮影していくように、つま先から頭のてっぺんまで、意識をゆっくり移動させていきます。
温かい、冷たい、重い、ピリピリする、何も感じない……。どんな感覚が見つかっても、良い・悪いと判断せずに、「いま、こう感じているな」と気づくのがポイントです。
マインドフルネスの代表的な練習のひとつ
ボディスキャンは、アメリカの医学者ジョン・カバットジン博士が始めた「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」の中で、最初に取り組む練習のひとつとして知られています。いまでは医療や心理の分野でも取り入れられている、マインドフルネスの基本の練習です。
目的は「ゆるめる」ことより「気づく」こと
ボディスキャンをしていると、自然と力が抜けていくことがよくあります。でも、目的は無理にリラックスすることではありません。
「肩に力が入っていたんだ」「お腹が少し冷えているな」と、からだの今の状態に気づくこと。それ自体が、ボディスキャン瞑想のいちばん大切な練習です。
ボディスキャン瞑想で期待できること
ボディスキャン瞑想を続けると、次のような変化を感じる方が多いといわれています。
- からだの緊張に気づきやすくなる:肩や顎、お腹など、知らないうちに入っていた力に気づけるようになります
- 考えごとから、少し離れられる:意識を「からだの感覚」に向けることで、頭の中のぐるぐるから距離をとりやすくなります
- 一日の切り替えがしやすくなる:朝は「はじまりの合図」に、夜は「おしまいの合図」として使えます
- 寝る前の、ゆったりした時間がつくれる:横になったままできるので、眠る前の習慣にしやすい瞑想です
感じ方には個人差があります。「効果を出さなきゃ」とがんばらず、からだと仲良くなる時間として、気軽に続けてみてくださいね。
看護師として多くの方のからだに向き合ってきて感じるのは、からだは、心より先に小さなサインを出しているということです。ボディスキャンは、そのサインにやさしく耳を傾ける時間でもあります。
はじめる前に決めておきたい3つのこと
時間帯:朝と夜どちらでもOK
- 朝:目覚めてすぐ、ふとんの中や椅子に座って。一日を穏やかにはじめる準備に
- 夜:寝る前に、ふとんの上で横になって。がんばったからだを、ゆっくり休める時間に
姿勢:仰向けでも椅子に座ってもOK
いちばん楽な姿勢で大丈夫です。仰向けなら、腕をからだの横に置き、足は腰幅くらいに開きます。腰がつらい方は、膝の下にクッションや丸めたタオルを入れると楽になります。
時間:最初は3分から
最初から20分続けなくても大丈夫です。慣れないうちは「足・お腹・肩・顔」の4か所だけを感じる3分の短いボディスキャンから始めて、慣れてきたら10ステップすべてに取り組んでみましょう。
からだが冷えると集中しにくくなるので、薄手のブランケットを1枚用意しておくのもおすすめです。
ボディスキャン瞑想のやり方|10ステップ

ここでは、私がガイドを担当した「朝・夜のボディスキャン瞑想」の流れに沿って、10のステップをご紹介します。それぞれの部位で、30秒〜1分ほど、静かに感じる時間をとりましょう。
ステップ1:はじまり|楽な姿勢で目を閉じる
いちばん楽な姿勢を見つけたら、そっと目を閉じます。何かを上手にやろうとしなくていいのです。ただ、感じることだけを大切にしていきます。
ステップ2:呼吸|ゆっくり吸って長く吐く
鼻からゆっくり息を吸って、口から長く静かに吐いていきます。2〜3回くり返したら、あとは自然な呼吸に任せましょう。
ステップ3:足|つま先・足の裏・かかと
右足のつま先、足の裏、かかと。次に左足へ。温かさ、冷たさ、床やふとんに触れている感覚。どんな感覚でも、そのままでいいのです。
ステップ4:脚|足首から太ももまで
足首、ふくらはぎ、すね、膝のまわり、そして太ももへ、意識をゆっくり上に運びます。力が入っているところがあれば、吐く息とともに、ふわっとゆるめてあげましょう。
ステップ5:腰とお腹|呼吸でふくらみしぼむお腹
腰や骨盤のあたり、床やふとんに触れているおしりの感覚。そしてお腹へ。息を吸うとお腹がやさしくふくらみ、吐くと静かに戻っていく。その小さな動きを、ただ見守ります。
ステップ6:胸と背中と肩|上がっていた肩をストンと下ろす
呼吸に合わせて静かに動く胸、広がっていく背中を感じます。そして肩。知らないうちに上がっていた肩を、重たい荷物をひとつ下ろすように、ストンと下ろしましょう。
ステップ7:腕と手|指の一本一本まで
二の腕、肘、手首、手のひら、そして指の一本一本まで。指先がじんわり温かくなったり、ピリピリしたりするかもしれません。どんな感覚も、いまのからだからのメッセージです。
ステップ8:首と顔と頭|あごと口元をゆるめる
首のうしろ、のど、あご、口元。歯と歯のあいだに、少しすき間をつくってみましょう。頬、目のまわり、眉と眉のあいだ、おでこ、そして頭のてっぺんまで、顔じゅうの力がやわらかくほどけていきます。
ステップ9:全身と感謝|からだに「ありがとう」を伝える
つま先から頭のてっぺんまで、全身がひとつにつながっているのを感じます。ゆるんでいるところも、まだ少し緊張が残っているところも、すべてが大切なからだです。心の中でそっと「ありがとう」と伝えてみましょう。
ステップ10:目覚め(朝)/眠りへ(夜)
- 朝:手の指、足の指を小さく動かし、ゆっくり深呼吸。伸びをしたくなったら気持ちよく伸びて、そっと目を開けます
- 夜:目を閉じたまま、からだがふとんに支えられている重さを感じながら、呼吸の波にゆだねて、そのまま眠りへ
無料ダウンロード
朝のボディスキャン瞑想ガイド(PDF・A4/2枚)
新しい一日のはじまりに。からだのすみずみに意識を向けて、すっきりと目覚めるためのガイドです(約12〜15分)。ひと区切りずつ読み進めても、ご自身で読み上げて録音しても使えます。
※ガイド:愛原百麗のオリジナル原稿です。
無料ダウンロード
夜のボディスキャン瞑想ガイド(PDF・A4/2枚)
今日一日の終わりに。がんばったからだをやさしくゆるめて、穏やかな眠りへと誘うガイドです(約18〜20分)。ふとんの上で横になって使えます。
※ガイド:愛原百麗のオリジナル原稿です。
朝と夜で変わるボディスキャンの使い分け
| 朝のボディスキャン | 夜のボディスキャン | |
|---|---|---|
| 時間の目安 | 約12〜15分 | 約18〜20分 |
| 姿勢 | 座っても、横になったままでも | ふとんの上で横になって |
| 呼吸のイメージ | 吸う息で、すがすがしい空気をからだのすみずみへ | 吐く息で、今日一日の緊張をからだの外へ |
| 最後のステップ | 指先を動かし、伸びをして目覚める | そのまま眠りへ |
| 心に浮かべること | 今日一日を、どんな気持ちで過ごしたいか | 今日一日、支えてくれたからだへの感謝 |
同じ10ステップでも、朝は「目覚めのため」、夜は「ゆるめて休むため」と、意識の向け方が少しちがいます。その日の時間帯に合わせて、使い分けてみてくださいね。
忙しい日の「3分ボディスキャン」
時間がない日は、次の4か所だけを、それぞれ40秒ほど感じてみましょう。

- 足の裏:床やふとんに触れている感覚
- お腹:呼吸に合わせてふくらみ、しぼむ動き
- 肩:上がっていないか確かめて、ストンと下ろす
- 顔:あごと眉間の力をゆるめる
仕事の合間や、電車で座っているとき、寝る前のふとんの中でもできます。たった3分でも、「からだに意識を戻す」きっかけになります。
看護師からのお願い|ボディスキャン瞑想の注意点

ボディスキャンは、どなたでも取り組みやすい瞑想です。それでも、安全に続けるために、次のことは覚えておいてください。
- 痛むところは、無理に意識を向けなくて大丈夫:痛みのある部位は「ここは痛むんだな」と気づいたら、次の部位へ通り過ぎてかまいません
- つらい記憶や強い不安が出てきたら、目を開けて中断する:無理に続ける必要はありません。部屋の中のものを見たり、足の裏で床を感じたりして、今ここに戻りましょう
- 心の不調で治療中の方は、主治医に相談してから:トラウマやパニック発作、うつ症状などで治療を受けている方は、始める前に主治医に相談してください
- 痛みやしびれが続くときは、医療機関へ:ボディスキャンで気づいた不調は、からだからの大切なサインです。続く場合は、自己判断せずに受診しましょう
- 運転中や入浴中には行わない:眠くなることがあるので、安全な場所で行ってください
よくある質問

Q. 途中で寝てしまっても大丈夫ですか?
大丈夫です。夜のボディスキャンなら、そのまま眠ってしまっても問題ありません。からだがそれだけ休みたがっていたサインです。
朝や日中に「最後まで起きて練習したい」ときは、椅子に座って行うか、目を薄く開けておくと眠りにくくなります。
Q. 何も感じない部位があるときはどうしたらいいですか?
「何も感じない」と気づけたら、それで十分です。感覚を無理に探そうとしなくて大丈夫。続けていくうちに、少しずつ細かな感覚に気づけるようになることもあります。
Q. 何分くらいやればいいですか?
最初は3分からで大丈夫です。慣れてきたら、朝は12〜15分、夜は18〜20分を目安に、10ステップすべてに取り組んでみてください。
Q. 音声ガイドはありますか?
この記事でダウンロードできる朝・夜のボディスキャン瞑想ガイド(PDF)は、ご自身で読み上げて録音し、音声ガイドとして使うこともできます。ゆっくりとした声で録音すると、自分だけのガイドになりますよ。
Q. 呼吸の瞑想とボディスキャンどちらから始めればいいですか?
じっと座って呼吸に集中するのが苦手な方や、寝る前に取り組みたい方は、ボディスキャンからがおすすめです。呼吸の瞑想のやり方は、こちらの記事で詳しくお伝えしています。
まとめ
- ボディスキャン瞑想は、からだの部位に順番に意識を向け、感覚に気づいていく瞑想
- 目的は「ゆるめる」ことより、からだの今の状態に「気づく」こと
- 姿勢は仰向けでも、椅子でもOK。最初は3分から
- 10ステップは「はじまり→呼吸→足→脚→腰とお腹→胸と背中と肩→腕と手→首と顔と頭→全身と感謝→目覚め/眠りへ」
- 朝は目覚めのために、夜はゆるめて休むために使い分ける
- 痛むところは通り過ぎてOK。つらくなったら目を開けて中断する
がんばらなくて大丈夫です。今日も一日、あなたを支えてくれたからだに、やさしく意識を向ける時間をつくってみてくださいね。
愛原百麗 公式LINE
まずはLINEでお友達になりませんか?
LINEで友だち追加すると、『感情と臓器のつながり セルフケア早見表』(PDF)がすぐに届きます。瞑想やからだを使ったセルフケアのヒント、新しい記事のお知らせもときどきお届けします。
メールアドレスの入力はいりません。いつでもブロックできます。









