「なんだか重たい一日だった」
「人混みに行った日は、どっと疲れる」
そんな日に、お風呂にお塩を入れて浄化する方法を聞いたことはありませんか。
こんにちは、看護師でライフコーチ、ディマティーニメソッドのファシリテーターの愛原百麗です。

塩風呂は、手軽で、今日から始められる浄化の方法です。
ただ、検索して出てくる記事の多くは「お塩を入れるだけ」で終わっていて、からだへの影響や、浴槽を傷めないための注意点まで書かれているものは、ほとんどありません。
この記事では、やり方と合わせて、看護師として知っておいてほしいこともお伝えします。
この記事では
・塩風呂の浄化とは何か、なぜ塩が使われるのか
・塩風呂で浄化するやり方(塩の種類・分量・手順)
・「好転反応」と呼ばれるものの正体
・看護師として伝えたい3つの注意点
・日本酒を入れてもいいのか、毎日やっていいのか
について解説します。
お風呂の時間が、少し楽しみになるはずです。
塩風呂の浄化とは?なぜ塩が使われるのか

日本では古くから、塩は場を清めるものとして使われてきました。
お相撲さんが土俵にまく塩、お店の入り口の盛り塩、お葬式のあとの清め塩。どれも同じ考え方です。
その塩をお風呂に溶かし、からだ全体を包むようにして使うのが塩風呂です。
邪気を祓う、人からもらった気を流す、一日をリセットする。そうした目的で親しまれてきました。
ここで、看護師として正直にお伝えしておきます。
塩に「悪いものを吸い取る力」があることは、科学的に証明されてはいません。
ただ、お湯に塩を溶かすと体が温まりやすくなり、発汗が促されるのは事実です。そして「今日をここで区切る」と決めて湯船に入ること自体に、気持ちを切り替える力があります。
効果を信じるかどうかより、自分をていねいに扱う時間をつくること。そこに塩風呂の価値があると、わたしは思っています。
塩風呂で浄化するやり方

特別な道具は要りません。スーパーで買えるお塩で十分です。
使う塩の種類

おすすめ:天然塩(粗塩)
伯方の塩、赤穂の天塩、シママースなど。成分表示に「海水」とだけ書かれているものが目安です。
避けたいもの:食卓塩(精製塩)
さらさらした精製塩は、塩化ナトリウムの純度が高いぶん、ミネラルがほとんど含まれていません。浄化に使えないわけではありませんが、選べるなら粗塩のほうがおすすめです。
入浴剤用のバスソルト
香料や着色料が入っているものもあります。肌が弱い方は成分をご確認ください。
「伯方の塩でいいの?」とよく聞かれますが、問題ありません。 高価な塩である必要はまったくないです。
分量の目安
一般的な家庭の浴槽(約180リットル)に対して、ひとつかみ〜大さじ2杯(約30〜50g)が目安です。
「たくさん入れたほうが効く」ということはありません。入れすぎは肌と浴槽の両方に負担になります。
手順4ステップ

1. 先にからだと髪を洗う
湯船は浸かるための場所にします。汚れを落としてから入ると、気持ちの切り替えもしやすくなります。
2. お湯に塩を入れて、手でよく混ぜる
溶け残りがあると、肌に直接あたって刺激になります。しっかり溶かしてください。
3. 10〜15分を目安に浸かる
40度前後のぬるめが目安です。長く入るほど良い、ということはありません。
4. 上がるときに、シャワーで流す
塩分を肌に残さないためです。ここを飛ばすと、乾燥やかゆみの原因になります。
そして最後に、浴槽のお湯はその日のうちに流してください。 理由は後ほどお伝えします。
「好転反応」と呼ばれるものの正体
塩風呂のあと、だるくなったり、眠くなったり、たくさん汗が出たりすることがあります。
これを「好転反応」「浄化が進んでいるサイン」と呼ぶ記事をよく見かけます。
看護師として、ここは分けてお伝えしたいところです。
からだの反応として説明がつくもの
だるさ・眠気:入浴で体温が上がり、そのあと下がる過程で眠気が出ます。自然な反応です
大量の発汗:塩を入れたお湯は体を温めやすく、汗が出やすくなります
のどの渇き:発汗で水分が失われています。入浴の前後にコップ1杯ずつの水を飲んでください
これらは、お風呂に入れば起きうる、ごく普通のからだの反応です。
「浄化が進んだ証拠」と考えて安心するのは自由ですが、体調が悪いのを我慢する理由にはしないでください。
これは好転反応ではありません

次のような症状があるときは、浄化の途中ではなく、からだが助けを求めている状態です。
・強い動悸、息苦しさ、胸の痛み
・立ちくらみ、意識が遠のく感じ
・吐き気、激しい頭痛
・湯上がりに赤み・かゆみ・発疹が出て、翌日も引かない
これらはのぼせ、脱水、血圧の変動、皮膚のトラブルとして説明がつくものです。
すぐに湯船から出て、水分をとり、涼しい場所で休んでください。症状が続くようなら受診してください。
「好転反応だから大丈夫」という言葉で、受診が遅れることがいちばん心配です。
看護師として伝えたい3つの注意点

塩風呂の記事で、ここまで書かれているものをあまり見かけません。でも、いちばん大切なところです。
① 持病がある方は、先に主治医に確認を
塩風呂そのものが危険ということではありません。ただ、温かいお湯に浸かって汗をかくことは、からだに一定の負担をかけます。
・高血圧、心臓の病気がある方
・腎臓の病気で、塩分や水分の制限を受けている方
・妊娠中の方
・糖尿病で皮膚の感覚が鈍くなっている方
これらに当てはまる方は、自己判断で始めず、主治医に一言確認してください。
とくに塩分制限のある方は、湯船の塩が皮膚から大量に吸収されることはないものの、長風呂による脱水や血圧変動のほうが影響します。
② 肌が弱い方、傷がある方
塩はしみます。
ひげ剃りのあと、むだ毛処理のあと、あかぎれや湿疹があるときは、しみて痛むことがあります。
アトピー性皮膚炎の方は、調子が良いときでも、まず少量で短時間から試してください。
そして誰であっても、上がるときのシャワーは省かないこと。 塩分が肌に残ると乾燥の原因になります。
③ 追い焚き機能のある浴槽では使わない

ここが、いちばん見落とされている点です。
塩は金属を錆びさせます。
追い焚きや循環機能のある浴槽で塩風呂をすると、塩分を含んだお湯が配管の中を通ります。長く続けると、配管や給湯器の金属部分が傷む原因になります。
実際、給湯器メーカーの取扱説明書には「塩分を含む入浴剤は使用しないでください」と書かれていることがほとんどです。
塩風呂をするときは
・追い焚きボタンを押さない(お湯張りのみで使う)
・入浴後は、その日のうちにお湯を抜く
・浴槽を軽く洗って、塩分を残さない
・残り湯は洗濯に使わない(衣類と洗濯機を傷めます)
・不安なときは、お使いの給湯器の説明書を確認する
給湯器の修理は数万円から十数万円かかります。ここだけは、手間を惜しまないでくださいね。
追い焚き配管が心配な方には、足湯や、洗面器でのシャワー浴という方法もあります。バケツに40度くらいのお湯と塩ひとつまみで、十分に気持ちは切り替わります。
よくある質問
Q. 日本酒を一緒に入れてもいいですか?
塩と日本酒を合わせる方法もよく紹介されています。
日本酒には血行を促す働きがあるとされ、体が温まりやすくなります。入れるなら100〜180mlほどが目安です。
ただし、お酒に弱い方、妊娠中の方、肝臓に不安のある方は避けてください。 アルコールは皮膚からも吸収されますし、浴室に匂いがこもります。
そして塩と同じく、追い焚きはしないでください。
Q. 毎日やってもいいですか?
毎日でなくて大丈夫です。
週に1〜2回、「今日は区切りたい」と思った日で十分だと思います。
毎日続けると、肌の乾燥や浴槽への負担が積み重なります。それに、毎日やると特別感がなくなり、気持ちの切り替えという本来の役割が薄れてしまいます。
Q. 塩を舐めたり、塩水を飲んだりする浄化法はどうですか?
おすすめしません。
塩分のとりすぎは、血圧の上昇やむくみに直結します。日本人はただでさえ食塩摂取量が多く、意識して減らしたい状況です。
浄化のために、からだに負担をかける必要はありません。塩は外から使ってください。
Q. 塩風呂と焼き塩、どちらがいいですか?
目的が違います。
塩風呂は「自分のからだと気持ち」を切り替えるもの。焼き塩は「部屋や場」を整えるものです。
両方を使い分けると、生活のリズムがつくりやすくなります。
浄化されたかどうかより、大切なこと

塩風呂を続けている方から、こんな声をよく聞きます。
「やった直後はすっきりするけれど、次の日にはまた同じ気持ちに戻ってしまう」
これは、とても自然なことです。
塩風呂は、その日の疲れや気分をリセットする方法です。 とても役に立ちますが、繰り返し同じ人・同じ出来事で心がざわつくとき、その原因までは流してくれません。
わたしは、浄化を応急処置だと考えています。
毎日を軽くするために、応急処置はとても大切です。けれど、同じ場所で何度もつまずいているなら、そのつまずきの正体を見にいくことも、同じくらい大切です。
お風呂で整えた頭で、ノートに一行書いてみてください。
「今日、いちばん心がざわついたのは、どの瞬間だったか」
そこに、あなたが大切にしているものが隠れています。
塩風呂の浄化のまとめ
- 塩風呂は天然塩(粗塩)をひとつかみ〜大さじ2杯、40度前後で10〜15分
- 上がるときはシャワーで塩分を流す
- だるさ・眠気・発汗は、入浴で起きうる普通のからだの反応
- 動悸・立ちくらみ・吐き気は好転反応ではなく、のぼせや脱水のサイン
- 持病がある方は、始める前に主治医へ一言
- 追い焚きはしない。その日のうちにお湯を抜く。給湯器を守るために
- 浄化は応急処置。くり返すざわつきには、別の手当てを
今日一日、おつかれさまでした。
どうぞ、あたたかいお湯でゆっくり休んでくださいね。
何度も同じことで、心がざわつくなら
その正体を、一緒に言葉にしませんか。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。無理な勧誘はいたしません。








