「内観がいいと聞くけれど、具体的に何をすればいいの?」
「ノートに書いてみたけれど、ただの日記みたいになってしまう」
そんなふうに迷っていませんか?
こんにちは、看護師でライフコーチの愛原百麗です。
内観は、自分の内側を静かに見つめて、人との関わりをふり返る方法です。
正しいやり方を知って続けると、当たり前だと思っていた日常の中に、たくさんの愛や支えがあったことに気づけるようになります。
この記事では
・内観とは何か、「3つの問い」とは
・「集中内観」と「日常内観」の違い
・自宅でできる内観のやり方5ステップ
・内観ノートの書き方と記入例
・内観がつらくなったときの考え方
について解説します。
今日から、ノート1冊で始めてみましょう。
内観とは?

内観とは、吉本伊信(よしもと いしん)さんが、浄土真宗に伝わる「身調べ(みしらべ)」という修行をもとに、誰でも取り組める形に整えた自己観察の方法です。
「内観法」とも呼ばれ、心理療法としても取り入れられています。
内観の特徴は、ただ自分の気持ちを見つめるのではなく、身近な人との関わりを、具体的な出来事を通してふり返るところにあります。
内観の「3つの問い」

内観では、母親や父親など身近な人について、次の3つをふり返ります。
問い1:してもらったこと
問い2:して返したこと
問い3:迷惑をかけたこと
ふだん、わたしたちは「相手にしてもらえなかったこと」「相手にされて嫌だったこと」ばかりを思い出しがちです。
この3つの問いは、その見方をいったん脇に置いて、自分がどれだけ支えられてきたかに目を向けるための問いなのです。
「集中内観」と「日常内観」の違い

内観には、大きく2つの種類があります。
- 集中内観:内観研修所に1週間ほど泊まり込み、面接者に報告しながら集中して取り組む方法
- 日常内観:自宅などで、毎日短い時間を使って、ノートに書き出しながら取り組む方法
いきなり集中内観に参加するのはハードルが高いので、この記事では、ノートを使ってひとりでできる日常内観のやり方をご紹介します。
自宅でできる内観のやり方5ステップ
STEP1:静かな時間と場所をつくる
1日10〜15分ほど、ひとりになれる静かな時間をつくります。
スマホは通知を切って、少し離れた場所に置いておきましょう。
寝る前や、朝起きてすぐの時間がおすすめです。
STEP2:ふり返る「相手」と「時期」を決める
最初は母親(または母親代わりの人)について、小学校低学年の頃から始めるのが基本です。
そこから、小学校高学年、中学生…と、数年ずつ区切って、今に向かってふり返っていきます。
母親が終わったら、父親、きょうだい、パートナー、職場の人…と、相手を変えていきます。
STEP3:「3つの問い」の順に思い出す
決めた相手と時期について、
①してもらったこと → ②して返したこと → ③迷惑をかけたこと
の順に思い出していきます。
内観では、特に「迷惑をかけたこと」を丁寧に思い出すことが大切だとされています。
STEP4:場面を具体的に思い出す
「母は優しかった」のような大まかな感想ではなく、
「熱を出した夜、仕事を休んで一晩中そばにいてくれた」
のように、映像が浮かぶくらい具体的な場面を思い出すのがポイントです。
具体的に思い出すほど、当時は気づけなかった相手の思いが見えてきます。
STEP5:気づいたことを書き留める
最後に、ふり返ってみて気づいたこと、感じたことを一言でいいので書き留めます。
「当たり前だと思っていた」「守られていた」「ありがとうと言えていなかった」
そんな小さな気づきの積み重ねが、心を少しずつあたためていきます。
内観ノートのやり方と記入例

内観ノートは、特別なノートでなくてかまいません。
毎回、次の項目を書くだけで、「ただの日記」ではない内観ノートになります。
・日付/相手/時期(例:9月21日/母/小学校低学年)
・①してもらったこと
・②して返したこと
・③迷惑をかけたこと
・④気づいたこと・感じたこと
内観ノートを続けるコツ
- 1回1テーマ:欲張らず、相手と時期を1つにしぼる
- 事実を書く:「〜してくれた」「〜した」と、出来事をそのまま書く
- うまく書こうとしない:思い出せないときは、1行だけでもOK
- 読み返す:1週間ごとに読み返すと、気づきが深まる
内観がつらくなったときは
内観を続けていると、「迷惑をかけたこと」ばかりが浮かんで、自分を責める気持ちが強くなることがあります。
でも、内観の目的は、自分を責めることではありません。
わたしがファシリテーターを務めるディマティーニメソッドでは、どんな出来事にも必ず両面があると考えます。
迷惑をかけた出来事にも、
・そこから、人の気持ちを考えられるようになった
・相手が、あなたを助けることで喜びを感じていた
・その経験が、今のあなたのやさしさにつながっている
というような、もう片方の面があるはずです。
「迷惑をかけた自分」も「支えられてきた自分」も、どちらもまるごと受け入れられたとき、内観は自分を責める時間ではなく、感謝で満たされる時間に変わっていきます。
※虐待など、思い出すだけで強い苦しさを感じる体験がある場合は、ひとりで無理にふり返らないでください。気分の落ち込みや不眠が続くときは、医療機関やカウンセラーなどの専門家に相談しながら進めましょう。
内観で得られる変化
内観を続けていくと、少しずつこんな変化を感じる方が多いです。
- 感謝の気持ちがわいてくる:当たり前だと思っていたことが、ありがたいことだったと気づける
- 人間関係がやわらかくなる:相手を責める気持ちが減り、自分から歩み寄れるようになる
- 自分を客観的に見られる:感情に振り回されず、一歩引いて自分を見られるようになる
変化の感じ方やスピードは、人それぞれです。焦らず、自分のペースで続けていきましょう。
内観のやり方まとめ
- 内観は、身近な人との関わりを「3つの問い」でふり返る方法
- 自宅では、ノートを使った「日常内観」から始めるのがおすすめ
- 母親・小学校低学年から、具体的な場面を思い出す
- 内観ノートは「日付/相手/時期」+「3つの問い」+「気づき」で書く
- 自分を責めそうになったら、もう片方の面にも目を向ける
ひとりでは向き合いにくい人や出来事があるときは
親との関係や、どうしても許せない人との出来事は、ひとりでふり返ると、思考が堂々巡りしてしまうことがあります。
ディマティーニメソッドのセッションでは、わたしがお出しする質問に答えていくことで、ひとりでは見えなかった「もう片方の面」を一緒にていねいに見つけていきます。
ひとりで抱えてきた想いを、感謝に変えていく時間を
「話を聞いてみたい」「ちょっと相談してみたい」という段階で大丈夫です。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。
無理な勧誘はいたしません。


